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 三菱電機による鉄道車両向け製品の品質不正問題で、同社の長崎製作所(長崎県時津町)が品質データを自動生成するプログラム(以下、データ自動生成プログラム)を使って品質データをねつ造していたことが分かった。

 品質不正が発覚した2種類の製品、すなわち[1]鉄道車両向け空調装置と[2]鉄道車両向け空気圧縮機ユニットのうち、前者の出荷試験にデータ自動生成プログラムを使用し、顧客に提出する検査成績書に記載していた。併せて、検査を実施せずに同成績書に記載した品質データがあることも見つかった。これらにより、三菱電機は試験工数を不正に減らしていた。

品質不正に手を染めていた三菱電機の長崎製作所
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品質不正に手を染めていた三菱電機の長崎製作所
鉄道車両向け空調装置では品質データのねつ造が発覚した。(作成:日経クロステック。写真:三菱電機)

 [1]鉄道車両向け空調装置と[2]鉄道車両向け空気圧縮機ユニットのそれぞれについて、品質不正の具体的な内容が明らかになった。まず、品質不正は大きく2つに分かれる。(1)購入仕様書の記載とは異なる検査の実施/検査の不実施と、(2)検査成績書の不適切な作成──である。

品質不正が行われた2つの製品
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品質不正が行われた2つの製品
(三菱電機の資料を基に日経クロステックが作成)

 このうち、(1)の購入仕様書の記載とは異なる検査の実施/検査の不実施には、5つの品質不正項目がある。購入仕様書の記載とは異なる検査が4つ(①冷房能力・冷房消費電力②暖房能力③防水④過負荷や振動などの4試験)と、検査の不実施が1つ(⑤後継機種の型式試験)だ。

 一方、(2)の検査成績書の不適切な作成は、3つの品質不正項目を含む。⑥検査していない寸法値を検査成績書に記載、⑦顧客からの指定(以下、指定)とは異なる方法で行った防水試験の結果の検査成績書への書き込み、そして、⑧データ自動生成プログラムを使った冷房能力と冷房消費電力に関する検査成績書の自動作成である。

 合計8項目の品質不正のうち、[2]の鉄道車両向け空気圧縮機ユニットで見つかったのは、⑤の後継機種における型式試験の不実施だけだ。具体的には、同ユニットの後継機種の形式試験において、先行機種と同じ圧縮機の特性試験を省き、先行機種の試験結果を流用していた。同社は10年ほど前からこの鉄道車両向け圧縮機ユニットを生産し、これまでに1000台ほど(2021年7月2日の会見では「ここ15年で約1500台」と公表)出荷してきたという。

[2]鉄道車両向け空気圧縮機ユニットにおける品質不正
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[2]鉄道車両向け空気圧縮機ユニットにおける品質不正
後継機種の型式試験で特性試験の不実施が見つかった。(作成:日経クロステック)

 より悪質な品質不正が行われており、その台数も多いのは[1]の鉄道車両向け空調装置の方だ。