政府は2021年7月後半にも、市区町村が海外への渡航者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種証明書を発行できるようにする。ただし当面は紙による申請や交付のみだ。海外ではアプリを利用したデジタル証明書の利用が進む。政府はデジタル化を検討中としているが、具体的な道筋はまだ見えない。
EUはデジタル証明書の本格運用開始
ワクチン接種証明書は海外渡航のために必要な人を対象に発行する。発行してほしい人は住所地の自治体の窓口にパスポートや接種済証などを提示するか、それらのコピーを郵送して申請する。
国内向けには新型コロナのワクチン接種を受けたことを証明する接種済証がある。しかし政府は海外向けには英語の表記がないうえに記載事項も足りないとして、新たに接種証明書を発行する必要があると判断した。渡航先の相手国などがワクチン接種者への行動制限の緩和を判断できるようにするのが目的だ。
既に欧州連合(EU)は2021年7月1日から新型コロナのワクチン接種済みを示す域内共通の「EUデジタルCOVID証明書」の運用を本格的に開始した。空港などでQRコードをスマートフォンや紙で提示すれば、原則として自主隔離や検査が免除される。