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 あいおいニッセイ同和損害保険は契約者に迅速に保険金を支払う目的で、自動車事故の状況を把握し過失割合を判定する新システムを2020年9月に導入した。システム投資額は累計20億円ほどだ。ドライブレコーダー映像をAI(人工知能)で解析する。

 新システムの名称は「テレマティクス損害サービスシステム」(テレマ損サシステム)だ。「推測から視認へ」「主観から客観へ」をコンセプトに構築した。保険の契約者が万が一事故を起こしてしまったときでも、ドラレコ映像やGPS(全地球測位システム)といったデジタルデータを活用して早期の解決を目指す。

 2021年5月には、事故発生から支払いまでの所要日数が平均で19.6日短縮できたという効果を発表した。従来、同社の自動車保険全体では平均で86.4日かかっていたが、テレマ損サシステムを使った「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」では平均66.8日になったという。

NRIや富士通などと開発

 システムの主要機能は4つ。「事故の自動検知」「事故状況の把握」「事故状況の可視化」「事故の過失割合判定支援」だ。それぞれAWSやIBM Cloudといったクラウド上に構築した。野村総合研究所(NRI)やSCSK、富士通などのITベンダーが開発に参加した。

 新システムの活用の流れは次の通りだ。まずドラレコなどが衝撃を検知すると、加速度データをAIが分析。衝撃は事故によるものかそうでないかを推定する。事故と推定した場合は、受付センターから契約者に電話などで「事故に遭っていませんか」と連絡する。

 システムが事故であると判断すると、損害サポート部門の事故対応担当者に自動でドラレコ映像が送信される。担当者はドラレコ映像の解析結果を見て、事故が起きた位置や状況を把握する。さらに事故の過失割合判定支援機能を使う。過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合を指す。80:20や60:40などのように表す。

事故の過失割合判定支援の画面イメージ
事故の過失割合判定支援の画面イメージ
出所:あいおいニッセイ同和損害保険
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