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永久磁石を使わない同期モーターなど使う

 パワートレーンの低コスト化に向けては、新技術の採用と、モーターや減速機、パワーエレクトロニクスから成る電動パワートレーンのシングルパッケージ化によって推進する。

 ルノーグループは、永久磁石を使わず電気的に界磁する同期モーター(EESM)を開発(図3)。そのEESMに24年から新技術を段階的に組み込んでいく。詳細は不明だが、ステーターヘアピン、接着モータースタック、ブラシレス、中空ローター軸を新技術として挙げる。

図3 永久磁石を使わず電気的に界磁する同期モーター(EESM)
図3 永久磁石を使わず電気的に界磁する同期モーター(EESM)
文字は日経クロステックが追加した。(写真の出所:ルノー)
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 さらに、モーターに関しては、フランスのスタートアップWhylotと提携、25年から自動車用の軸方向磁束モーターの量産を開始する(図4)。当初はハイブリッドパワートレーンに適用し、同コストの5%低減を狙う。

図4 自動車用の軸方向磁束モーター
図4 自動車用の軸方向磁束モーター
日本ではアキシャル・ギャップ・モーターと呼ばれているものとみられる。(出所:ルノー)
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 パワーエレクトロニクスについては、インバーター、直流・直流(DC-DC)変換器、車載充電器(OBC)を社内で1ボックスに集約し、800V対応を図るとともに部品点数の削減により低コスト化を進める。さらに、同パワーエレクトロニクスを、プラットフォームにかかわらず、かつEV/ハイブリッド車(HEV)/プラグインハイブリッド車(PHEV)といったパワートレーンにかかわらず横断的に採用することで量産効果を高める。パワーモジュールに使う炭化ケイ素や窒化ガリウムは、提携先の伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)から調達する。

 ルノーグループは、これらに加えて、電動パワートレーンとしてモーターや減速機、パワーエレクトロニクスを1つのパッケージに集約。それにより電動パワートレーンの体積を45%削減するとともに、パワートレーン全体のコストを30%引き下げる。

 この他、EVのプラットフォームであるC、Dセグメント向け「CMF-EV」とBセグメント向け「CMF-BEV」を3社連合で共有し、EVの低コスト化を推進する(図5)。ルノーグループは、25年までに10車種の新型EVを投入する計画。これらのコスト低減策によって、EVによる利益率は25年までに同クラスのガソリン車と同等になるという。同グループは、ルノーブランドのEV比率が30年には最大で90%になるとしている。

図5 CMF-BEVプラットフォームとルノーグループのアライアンス プラットフォーム リーダーのLaurence Excoffon(ロランス・エクスコフォン)氏
図5 CMF-BEVプラットフォームとルノーグループのアライアンス プラットフォーム リーダーのLaurence Excoffon(ロランス・エクスコフォン)氏
(出所:ルノー)
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