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 日本航空(JAL)のIT子会社であるJALインフォテック(東京・港)は2021年7月6日、東京都内の小学校でプログラミング授業を実施した。単に「IT企業だからプログラミング授業で社会貢献」というだけにとどまらず、児童たちを自発的にプログラミングへ向かわせ、論理的な思考を深めさせるため、授業内容に多くの工夫を凝らした。

 同社はITを活用した教育カリキュラム「JIT STEAM EDU」を策定し、2021年2月の実証実験を経て同年7月に全国の学校を対象にした授業依頼の受け付けを始めたところだ。7月6日は東京都港区立芝浦小学校の5年生5クラス、181人に授業を実施した。

 授業は3時限を使い、2段階で構成する。最初に5クラス合同の座学を1時限、45分間で実施。その後は各クラスに分かれての実習を2時限、90分間実施という流れである。課外授業ではなく、「総合」の授業の一環という立て付けだ。

CO2削減がテーマ、座学を経て実習へ

 プログラミング授業といっても、いきなりプログラミングを教えるわけではない。今回JALインフォテックがテーマとしたのは「CO2の削減」。小学5年生の社会科で取り上げる重要なテーマの1つだ。

 そのための導入部となるのが、最初の1時限の座学である。場を和ませるアイスブレークとして「飛行機についてイメージするもの」を発言してもらったり、飛行機や空港で働くさまざまな職種のJALグループ社員を紹介したりした後、「JALがCO2の削減のために取り組んでいること」について、児童に意見を求めた。

3時限(1時限は45分)のうち、最初の1時限は学年5クラス合同での座学。小学5年生の社会科に関連づけ、JALグループがCO2削減に取り組んでいることを取り上げ、取り組みの内容などを考えてもらう構成とした(写真を一部加工しています)
3時限(1時限は45分)のうち、最初の1時限は学年5クラス合同での座学。小学5年生の社会科に関連づけ、JALグループがCO2削減に取り組んでいることを取り上げ、取り組みの内容などを考えてもらう構成とした(写真を一部加工しています)
(撮影:日経クロステック)
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 児童に発言してもらった後、具体的な取り組みを紹介。例えば、燃費の良い新型機への更新、着古した衣服を原料としたバイオ燃料の試験導入、各運航便に搭載する燃料や水の量の最適化などに取り組んでいることを説明した。それらに加え、台風や乱気流などを避けることが燃油の節約につながると指摘。JALグループで1日1000便超の運航便1つひとつに最適な飛行ルートを算出するため、情報システムを活用していることを紹介した。

 こうした導入を経て、2~3時限の実習へ移行。児童に触ってもらうプログラムは、飛行機をスタートからゴールまでカーソル操作で動かすというもの。台風や乱気流などに接近すると当たり判定で燃料を余分に消費するようになっており、いかに燃料消費量を抑えながらゴールへたどり着けるかというゲーム性もあるプログラムだ。

後半の2時限でScratchのプログラミングに取り組む児童たち
後半の2時限でScratchのプログラミングに取り組む児童たち
(撮影:日経クロステック)
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