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 デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む金融機関とデジタルサービスの提供企業が社会課題の解決で手を組む――。こうした新しい動きが出てきた。

 三井住友海上火災保険と、Web会議システム「Zoom」を手掛ける米Zoom Video Communications(ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ)の日本法人であるZVC Japan(東京・千代田)は2021年7月7日に包括連携協定を締結した。目的は社会経済の活性化などである。

包括連携協定の書面を掲げる三井住友海上火災保険の立松博常務執行役員(左)とZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー
包括連携協定の書面を掲げる三井住友海上火災保険の立松博常務執行役員(左)とZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー
(出所:ZVC Japan)
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 対象となる分野は広い。「地域産業の振興・支援」「中堅・中小企業の活性化」「災害発生時における減災や復興支援」などを掲げる。「医療や士業をはじめとする幅広い業界での生産性向上」「保険を中心とする金融事業におけるDX」なども対象とする。

 今後、両社はZoomを使った中堅・中小企業のDX推進支援や、ウェビナーを通じた情報提供、被災地域の自治体や企業にZoomのライセンスを期間限定で無料提供する復興支援などに取り組んでいく予定だ。

異例の企業同士による包括連携協定

 包括連携協定は一般に、自治体と企業が結ぶものだ。自治体と企業はこの協定の下、地域における課題解決や活性化、住民サービスの向上などを目指して、様々な分野で連携していく。しかし今回は企業同士で包括連携協定を締結した点が特徴だ。

 「民間企業との包括連携協定は(当社にとって)初めてだが、これを機に、地方の活性化策として医療や福祉の現場、学校、三井住友海上におけるDXに、Zoomを役立ててもらえればと考えている」。ZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャーは同日開いた包括連携協定締結式でこう語った。

 会場となったのは三井住友海上がイノベーション推進拠点として2021年5月にリニューアルオープンした、東京・神田駿河台の「グローバルデジタルハブ・東京」。同社の立松博常務執行役員は「損害保険会社として社会リスクを受け止めて解決する責任を強く感じている。ZVC Japanと共に社会的課題の解決に努力していきたい」と意気込みを語った。

 立松常務執行役員は「ZVC Japanとは、地方自治体や中堅・中小企業のデジタライゼーション推進、災害発生時の減災や復興支援、リモートワークの普及におけるカーボンニュートラルへの貢献と、様々な分野で目指すべき方向性を合わせていける」とも話した。両社は自社の製品・サービスを提供するだけでなく、それらを互いに組み合わせて社会課題の解決に当たることになる。より一層の相乗効果が期待できそうだ。