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 自動車や建機などの部品製造を手掛けるKYBは、製造業ならではの「検査データ」の保管に頭を悩ませていた。検査データを保管するファイルサーバーの空きが常に不足気味だったからだ。容量が不足したらファイルサーバーのディスクを増設するという作業を繰り返していた。

 この問題を解消するため、同社は2021年4月に製造部門を含む全社にクラウドストレージを導入し、検査データの移行を進めている。導入を主導した経営企画本部IT企画部の澤田楽氏は、「2021年10月以降にインターネット回線を増速し、データ移行を加速させる予定だ」と意気込む。

 このクラウドストレージの導入には、2020年3月の検討開始から採用の決定、全社展開までに1年以上を要した。「脱ファイルサーバー」を実現するまでどうしてここまで時間がかかったのか。同社の移行方法を見ていこう。

部品の検査データとして製造ラインの映像も保管

 KYBは2020年3月まで、検査データを岐阜県にある岐阜北工場に設置したオンプレミスのファイルサーバーに保管していた。

 検査データとは完成した部品の性能検査に使うデータで、一定期間保管しておく必要がある。部品によっては製造ラインを動画撮影した映像も保管しなければならない。検査データは蓄積され、どんどん「肥大化」していった。

 検査データを保管するファイルサーバーは空きが不足するたびにディスクを増設していた。容量不足と判明してからディスクの選定に取りかかるため、増設が完了するまで約2カ月かかっていた。また、ハードウエアの保守コストも負担になっていた。

ファイルサーバーのディスク増設に約2カ月かかっていた
ファイルサーバーのディスク増設に約2カ月かかっていた
(出所:日経クロステックが作成)
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