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 「国際業務は顧客にとって重要なインフラの役割を担うにもかかわらず、手作業が多い。人の頑張りに頼らず、効率的で持続可能な体制を早期に実現していく」。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)市場統括部部長の工藤章氏は、福岡銀行が2021年8月に利用を始める予定の新クラウドサービスの狙いをこう語る。

 福岡銀行が導入するのは、NTTデータ四国が開発する「WIFES(ワイフェス)」。AI-OCRやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用し、国際送金業務の効率化を狙う。当初から開発協力していた同行が第1号ユーザーになる。

 国際送金業務は、顧客から受け取った送金依頼書の内容を確認し、SWIFT(国際銀行間通信協会)のネットワーク向けに送金メッセージを作成。メッセージをSWIFT用端末に入力して送信する、という流れで進める。WIFESはこの一連の作業を効率化するものだ。

「WIFES」の実行画面例
「WIFES」の実行画面例
(画像提供:NTTデータ四国)
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 WIFESによる国際送金業務の流れは次の通りだ。送金依頼は紙またはインターネットを通じて受け取る。紙の依頼書で受け取った場合はAI-OCRで読み取り、情報を電子化する。その後、国際送金に関するルールに基づいて依頼内容をチェックし、漏れや誤りがあれば「送金理由にNGワード(規制品目に関わる単語など)が含まれている」といったメッセージを表示する。

 確認作業が終わると、送金に利用する中継銀行(コルレス銀行)の仕様に応じてSWIFT向け送金メッセージを自動編集。内容に問題がなければ、RPAを使ってSWIFT送信用システムなどに情報を受け渡す。AI-OCRにはAI insideの「DX Suite」、クラウド基盤にはNTTデータの「OpenCanvas」を利用。RPAは製品を問わないが、福岡銀行はNTTグループの「WinActor」を使う。