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 「さらなる成長に向けて設定していたマイルストーンを今回達成できた」。KDDI子会社でIoT(インターネット・オブ・シングズ)向け通信サービスを手掛けるソラコム(東京・世田谷)の玉川憲社長は、このほど実施した複数の国内大手企業との資本提携についてこう話す。

ソラコムの玉川憲社長
ソラコムの玉川憲社長
(出所:ソラコム)
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 同社は2021年6月、ソニーグループや日立製作所、セコム、日本瓦斯(ニチガス)、携帯翻訳機「ポケトーク」を手掛けるソースネクスト、投資ファンドのWorld Innovation Lab(WiL)の計6社と資本・業務提携を結んだ。6社の出資額は非公開で、KDDIが引き続きソラコムの株式の過半を保有する。

 2015年に通信事業に参入したソラコムは現在、日本を含む世界約140カ国で使えるIoT用通信サービスや、その統合管理サービスなどを一元的に提供している。2017年8月にはKDDIから約200億円規模とされる出資を受けて傘下入りした。

 買収時に8万件だったソラコムの総契約回線数は足元で300万件に拡大。KDDIの販路を通じた大口客の獲得や、同社の通信インフラとの連携によるサービス強化が奏功したという。

 ソラコムが追加の資本提携に踏み切った主な理由は海外展開の強化である。今回の出資企業には日立やソニーなど、IoTに積極的で世界的なブランドを有する企業も名を連ねる。こうした企業がグローバル市場で手掛けるIoTビジネスをソラコムとKDDIがインフラ面で支え、海外での知名度向上や顧客開拓につなげる狙いだ。

目指すは「上場ゴール」にあらず

 通信大手のKDDIが200億円という大金を投じ、さらに今回日立やソニーなども出資に至ったソラコム。実質的な創業から6年あまりの同社が名だたる大企業を引きつけるのはなぜか。

 理由は大きく2つありそうだ。