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 日立製作所は2021年7月14日、米GlobalLogic(グローバルロジック)の買収を完了したと発表した。日立が1兆円という巨費を投じたにもかかわらず、グローバルロジックが本社を置く米シリコンバレーで同社が話題に上ることは少ない。今回、日経クロステックの単独インタビューに応じたシャシャンク・サマントCEO(最高経営責任者)に同社の強みや今後の成長の道筋を聞いた。

オンライン取材に応じた米グローバルロジックのシャシャンク・サマントCEO
オンライン取材に応じた米グローバルロジックのシャシャンク・サマントCEO
サマントCEOは2008年にグローバルロジックに参加し、大企業の案件を引き受けるグローバル企業へと成長させた。米Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード、当時)では決済事業の製品エンジニアリングに従事。米IBMではインド初のソフトウエアエンジニアリングラボの設立に取り組み、IBMの研究開発のグローバル化に貢献した。(出所:日経クロステック)
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 日立は米国時間の2021年7月13日、米子会社の日立グローバルデジタルホールディングスを通じてグローバルロジックを買収した。買収総額は95億ドル(約1兆500億円)で、日立として過去最大規模だ。

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 グローバルロジックはデジタル技術を活用し、顧客の新サービス開発や事業変革を支援する事業を展開する。特に通信やメディア、自動車、医療技術、ヘルスケア、消費財といった業界に顧客基盤を持つ。

 例えば自動車であれば、新世代モデルの電動化から使いやすさの向上まで支援する。消費財であれば、米McDonald's(マクドナルド)とともに、4年間にわたって顧客のサービス体験を設計したという。「私の娘が8歳の時でもマクドナルドの店内にあるスクリーンから注文ができた。チーズ好きという娘の好みをシステムが覚えている」(サマントCEO)。

データ活用でグーグルやアップルも支援

 サマントCEOによると、グローバルロジックの強みは大きく3つある。1つ目がモノからUI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザー体験)の向上まで幅広くカバーするデザイン能力だ。顧客と協創するための「デザインスタジオ」を世界8カ所に展開している。

 2つ目がエンジニアリング能力だ。「チップからクラウド、アプリケーションに至るまでグローバルでエンジニアリングすることができる。これらをすべて持つ企業は少ないだろう」(同)。

 最後がデータ活用能力だ。Google(グーグル)やApple(アップル)といった米IT大手もグローバルロジックの支援を受けているという。

 サマントCEOは「これら3つの要素について、担当者が協力しながら、製品、プラットフォーム、そして体験を生み出している。ドメイン知識とデザイン、エンジニアリングに関するそれぞれのデータを持ち寄り、物理と仮想の世界を結びつけるという『魔法』が実現できるようになる」と力を込める。