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 Zホールディングス(ZHD)がグループ企業横断でAI(人工知能)人材を育成する社内大学を発足させる。ヤフーやLINE、ZOZOなど傘下各社のAIトップ人材が運営を率い、社外秘のAI技術情報を持ち寄るなどグループの利を生かす。グループの知見を総動員する人材自給自足策により、世界トップのAI企業を標榜するZHDの実力が試される。

 「Z AIアカデミア」の名称で、2021年8月に開講する。当初はヤフーとLINEのほか、宿泊やレストラン予約の一休、通販のアスクル、アパレルEC(電子商取引)のZOZOグループが運営企業として参加。約2万3000人いるZHDの全従業員を対象に、事例や基礎知識の座学、課題解決に取り組むワークショップ、交流会を通じて育成する。

 1回当たり1~2時間程度で、原則としてオンラインで実施する。まず2022年3月までの予定で一通りの講座を開き、同年4月以降も継続を目指す。グループ各社でAI戦略やデータ活用戦略を率いる幹部社員が、同大学のボードメンバーとして参加する。

「Z AIアカデミア」のボードメンバー
「Z AIアカデミア」のボードメンバー
(出所:Zホールディングス)
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門外不出のAI技術情報の持ち寄り、統合効果で実現

 カリキュラムの特徴は、秘密保持契約を結んだ従業員だけが受講できるクローズドなワークショップを実施する点だ。運営各社が持つ独自のAI技術について、具体的なアルゴリズムやシステム構築のノウハウ、サービスにおける活用の実例、運用を通じて得た利点や改善点を学べるという。

カリキュラムの例
(出所:Zホールディングス)
開催時期内容
2021年8~9月オープン勉強会(1)AIを使いこなす人材になるための基礎講座
キックオフAI人材オンライン交流会(1)
10月オープン勉強会(2)ケーススタディー勉強会
2022年1月オープン勉強会(3)ケーススタディー勉強会
AI人材オンライン交流会(2)
2月クローズドAI企画オンラインワークショップ(1)
3月クローズドAI企画オンラインワークショップ(2)

 例えばLINEなら日本語を中心とした自然言語処理や音声認識、利用者の顔認識などの機械学習モデル、アスクルは物流施設の在庫配置や作業経路の最適化、ZOZOは利用者の身体の情報を計測する「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」や「ZOZOMAT(ゾゾマット)」の機械学習モデルなどを取り上げる予定だ。