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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は、2025年までにグループ統一の新しいソフトウエアプラットフォーム(ソフトPF)を開発する。21年7月13日に開催した「NEW AUTO戦略」の説明会で明らかにした(図1)。同ソフトPFは、同グループが「ソフトウエアスタック2.0(E3 2.0)」と呼ぶもので、同グループの全ブランドに統一のビークルOS「VW.OS」や自動車用クラウド「VW.AC」に加え、自動運転レベル3~4への対応が可能な機能、ユーザー体験のための機能、自動充電機能などを備えたものという(図2、3)。

図1 VW最高財務責任者(CFO)のArno Antlitz(アルノ・アントリッツ)氏
図1 VW最高財務責任者(CFO)のArno Antlitz(アルノ・アントリッツ)氏
21年7月13日に開催した「NEW AUTO戦略」のオンライン説明会に登場した。(出所:Volkswagen)
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図2 25年までにグループ統一の新しいソフトPFを開発する
図2 25年までにグループ統一の新しいソフトPFを開発する
「ソフトウエアスタック2.0(E3 2.0)」と呼ぶものがそれに当たる。(出所:Volkswagen)
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図3 E3 2.0にはビークルOSや自動車用クラウドなど様々な機能が含まれる
図3 E3 2.0にはビークルOSや自動車用クラウドなど様々な機能が含まれる
同オンライン説明会の画面をキャプチャーしたもの。
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 開発は、VWグループの自動車用ソフト会社であるドイツCARIAD(カリアド)が手掛ける(図4)。同グループによれば、30年までに最大4000万台の車両がE3 2.0で稼働することになる。

図4 グローバルで開発を手掛けるCARIAD
図4 グローバルで開発を手掛けるCARIAD
同オンライン説明会の画面をキャプチャーしたもの。
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 VWグループでは、新世代の車両のPFとして、「Scalable Systems Platform(SSP)」も開発中。26年以降、SSPを使った電気自動車(EV)を生産する計画だが、SSPとともに新ソフトPFをグループ全体に広げることで、新たなエコシステムの確立とデータに基づくビジネスモデルの構築を狙う。

 CARIADは、既存のEV専用PF「MEB」向けのソフトPF「E3 1.1」や、ドイツAudi(アウディ)や同Porsche(ポルシェ)といった高級車向けのソフトPF「同1.2」の開発にも取り組んでいる(図5)。同1.1は、ソフトのアップグレードやOTA(Over The Air)による更新を可能とし、同1.2は、統一のインフォテインメントシステムやOTAによる更新などの様々な機能を提供するものという。同1.2は、23年にリリース予定だ。

図5 高級車向けのソフトPFとなるE3 1.2は統一のインフォテインメントシステムなどを提供する
図5 高級車向けのソフトPFとなるE3 1.2は統一のインフォテインメントシステムなどを提供する
同オンライン説明会の画面をキャプチャーしたもの。
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 また、CARIADは、レベル4の自動運転機能の開発も担う。VWグループでは、自動運転シャトルの自動運転システムについては米Argo AI(アルゴAI)と開発を進めているが、自家用車向けはCARIADが開発する(図6)。

図6 自動運転機能の開発における役割分担
図6 自動運転機能の開発における役割分担
同オンライン説明会の画面をキャプチャーしたもの。
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 自動運転に関しては、VWグループはさらにドイツ・ミュンヘンで自動運転バスの最初の試験を実施中。ドイツの他の都市、中国、米国でも同試験を実施する計画だ。同グループは、25年に最初の自動運転モビリティーサービスを欧州で始める見込みで、その後間もなく米国にも広げる。同グループは、MaaS(Mobility as a Service)市場は、欧州5大市場だけでも30年までに700億ドル(約7兆7000億円)の規模になると予測している。