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 「ゲームのユーザー数が減少すると売り上げに影響するだけでなく、競い合ったり同じ話題を共有したりする相手が減り、ゲームの楽しみも薄れてしまう。ユーザー数はサービスの継続を左右する」。カプコンのCS第二開発統括システム基盤部ネットワーク基盤室に所属する中村一樹氏はユーザーの離脱を防ぐ意義をこう説明する。

「モンスターハンター ライダーズ」のイメージ画像
「モンスターハンター ライダーズ」のイメージ画像
(出所:カプコン)
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 カプコンはスマートフォン向けゲームアプリ「モンスターハンター ライダーズ」を対象に、ユーザーの離脱を予測する人工知能(AI)を開発した。ユーザーごとの過去7日間のアプリログを用いて、今後7日間で各ユーザーが「離脱する(7日のうち3日以下しかアクセスしない)」「離脱しない(7日のうち4日以上アクセスする)」のどちらになるかを予測する。アプリログとはアプリへのログイン、ゲーム内アイテムの取得と使用などである。

 この離脱予測モデルによって、離脱しそうなユーザーを検出し、継続してもらえるような販促策を講じる。現在は販促策を検討中で、それを決めた上で適用を始めるという。

バージョンアップによる予測精度の低下を懸念

 離脱予測モデルを開発するにあたり、モデルの予測精度の目標を90%以上に設定した。しかし予測精度を高める上で、スマホアプリならではの難しさがあったという。それは「ゲーム内の環境変化が大きい」(中村氏)ことだ。

 モンスターハンター ライダーズは一般的なスマホ向けゲームアプリと同様に、無料でダウンロードできるようにした上で、ゲーム内で使うアイテムの販売(課金)により収益を得る。課金のため、アプリのバージョンアップやゲーム内イベントの開催を頻繁に行い、ユーザーを飽きさせないようにしている。そのたびゲーム内の環境が変化するため、「離脱予測モデルの精度が下がるのではないか」(中村氏)と懸念した。