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 IoT(Internet of Things)やブロックチェーンなどの技術を生かして、新たなビジネスモデルを確立しようとする機運が医療・ヘルスケア業界で高まっている。大正製薬はIoT化された販売機で一般用医薬品(OTC医薬品)を購入できるようにするための実証実験を2022年1月に始める計画だ。こうした新技術を想定していない現行規制をどうクリアするかが、新たなビジネスモデルを社会実装するためのカギを握る。

 内閣官房では2018年から「新技術等実証制度(規制のサンドボックス制度)」として、新技術やビジネスモデルを社会実装するための実証実験を行う場を提供する取り組みを進めている。これまでに20を超えるプロジェクトが同制度に認定されており、医療・ヘルスケア業界の規制に挑むプロジェクトも多い。一部には既に実証実験を終え、国から有効性を認められたものもある。

OTC販売機のイメージ
OTC販売機のイメージ
(取材内容を基に日経クロステック作成)
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 大正製薬のOTC販売機に関する実証実験も規制のサンドボックス制度を利用した取り組みの一つで、2021年4月に認定された。ドラッグストアの薬剤師や登録販売者とネットワークでつながったOTC販売機を用いて、店舗に来店することなくOTCを購入できるようにすることが主な狙いだ。

 OTCは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」によって薬剤師が販売することが定められており、リスク区分の低い第二類・第三類医薬品は登録販売者でも販売が可能だ。ドラッグストアで対面販売するほか、有資格者が関与することでインターネット販売も認められている。

 一方で、店舗を訪れる手間や、ネット販売の場合も手元に届くまでに時間差が生じるといった課題があった。有資格者が管理するIoT化された販売機ならば規制にも合致し、こうしたニーズにも対応できるのではないか、という発想がこのたびの実証実験につながった。