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 日本生活協同組合連合会がアジャイル開発を取り入れたシステム開発に力を入れている。2021年4月には、アジャイル開発の手法を初めて本格的に採用して作った注文サイトの運用を開始。2021年夏から作成を始めたデジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトのためのシステム開発標準にもアジャイル開発を取り入れる。

 アジャイル開発で作ったのは、組合員がレシピから商品を注文するためWebサイト「コープシェフ」だ。料理のレシピを選択すると、その料理を作るのに必要な食材を自動的にカートに入れる。レシピのデータベースにある食材情報と商品マスターをひもづけて提示する。商品マスターは毎週更新されるが、ひもづけは自動的に行われる。

注文サイトのレシピから、食材をカートに入れる
注文サイトのレシピから、食材をカートに入れる
出所:日本生活協同組合連合会
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 2021年4月にみやぎ生活協同組合の組合員を対象にスタートし、5月末には東北エリア全体に広げた。今後は利用者の特徴からおすすめのレシピや1週間分の献立をAI(人工知能)が推薦するなどの機能改修を進める。

「何が成功するか分からない中でアジャイル開発を選択」

 日本生協連は2020年3月から、コープ東北サンネット事業連合、コープデリ連合会、東海コープ事業連合と協力して、生協のDXに取り組む「DX-CO・OPプロジェクト」を開始。その第1弾として今回、レシピと連動した注文サイトをアジャイル開発で作った。

 日本生協連はこれまでアジャイル開発の経験がほとんどなく、参加メンバーは全員初めてだった。「新規事業で何が成功するか分からない中で、アジャイル開発をやってみようとなった」と、事業企画・デジタル推進本部デジタルマーケティング部部長で次世代戦略企画室室長の峰村健史氏は説明する。

 生協組合員からは、料理に自信がなかったり忙しかったりするなどの理由から「食材だけあっても選べない」という声があった。こうした顧客の声に応えるため、作りたい料理から食材を自動的に選んだり、利用者に合った料理を提案したりする注文サイトを事業部門が中心となって企画した。

 まず最小限の機能でリリースし、組合員の反応を見ながら改善を進める。現状は利用者がレシピを選ぶが、今後は過去の購入実績からレシピをリコメンドしたり、栄養バランスなどを考慮して3食分提案したりする機能を改修する計画だ。