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 再エネ電力の営業現場が混乱しています。環境価値表示を 「電力の小売営業に関する指針」 に則って厳密に記載したい電力会社と、ステークホルダーに明確にメッセージを伝えたいユーザー企業(需要家)の間に軋轢が生じることも。例えば、再エネ電力に切り替えた企業が株主総会で公表しようとしたところ、電力会社から表現に物言いがついたケースなどがあります。
 この指針をユーザー企業も守らなければならないのか、小売電気事業者が気を付けるべき点とは。電力・ガス取引監視等委員会(電取委)取引監視課・取引制度企画室の課長補佐で弁護士の川原健司氏に解説してもらいました。

小売営業指針を守ろうとする小売電気事業者が、ユーザー企業がプレスリリースなどで対外公表する際に、小売営業指針と同等の表現を求めるケースがあります。

電取委 小売営業指針は電気事業法に基づくガイドラインであり、対象はあくまで小売電気事業者です。需要家の行動を規律するものではありません。

小売営業指針は環境価値表示を子細に規定している
小売営業指針は環境価値表示を子細に規定している
(出所:123RF)

 例えば、小売営業指針では「通常の種々の混ざった電源+トラッキング付き非化石証書」の組み合わせは「実質再エネ電源メニュー」と表示します。ただし、ユーザー企業は小売営業指針の対象ではありませんので、対外公表時に「実質再エネ」と表示しなくても問題ありません。

 ユーザー企業の表示は所管ではありませんが、「再エネに切り替えました」「再エネ調達を実現」など、ユーザー企業が伝えたいメッセージを明確に伝えれば良いのではないでしょうか。ユーザー企業の先にいる消費者などに、誤解を与えたり、明らかにおかしいことを記載していたらそれは問題ではありますが、いずれにせよ小売営業指針の範疇ではありません。

小売電気事業者は「通常の種々の混ざった電源+トラッキング付き非化石証書」を「RE100規格準拠メニュー」と表示しても良いのでしょうか。

電取委 RE100を運営するCDPなどが定める規定に則っているのであれば、よいのではないでしょうか。この点は、電取委の所管ではありません。

「通常の種々の混ざった電源+再エネ由来J-クレジット/グリーン電力証書」の組み合わせは、環境価値を訴求できるのでしょうか。

電取委 この組み合わせでは、小売電気事業者は環境価値を訴求することはできません。「RE100準拠」などについては、繰り返しになりますが、小売営業指針の対象外です。その規格のルールに則っていれば問題ないのではないでしょうか。

 ユーザー企業が電力を通常通り調達し、自らで入手したJ-クレジットやグリーン電力証書を組み合わせるケースも多いと聞きます。小売営業指針はユーザー企業の行動を規定するものではありませんので、ユーザー企業が「再エネに切り替えた」と公表する分には問題ありません。