全1942文字
PR

 米IBMは米国内のオフィスを2021年9月に再開する。同社のニックル・ラモロー・シニアバイスプレジデント兼CHRO(最高人事責任者)によると、「全社員の出社を再開するか、一部とするかはこの先数週間のデータを見て決定する」方針だ。

米IBMのニックル・ラモロー・シニアバイスプレジデント兼最高人事責任者(CHRO)
米IBMのニックル・ラモロー・シニアバイスプレジデント兼最高人事責任者(CHRO)
(出所:米IBM)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社が2020年5月に策定し、状況の変化に応じて随時更新してきた「Return to Workplace(出社再開)基本方針」に基づいて判断した。各地域における新型コロナウイルス感染率やワクチン接種率、政府の施策などに基づいた尺度を設け、オフィスへの出社再開の判断基準、マスク着用やソーシャルディスタンス(社会的距離)などのエチケットを定めたものだ。

米IBMのReturn to Workplace基本方針。感染状況などに応じて随時更新している
米IBMのReturn to Workplace基本方針。感染状況などに応じて随時更新している
(出所:米IBM)
[画像のクリックで拡大表示]

 基本方針はグローバルの危機管理チームが定め、それを基に各国政府などが公表するデータや政策に従って各国のビジネスリーダーや人事担当者、法務担当者などからなるローカルの危機管理チームが判断する。もともと定めていた事業継続計画(BCP)に社会的距離などの要素を付け加えた。この基本方針は全社員に共有されている。

 現時点では世界で35万人以上いるIBM社員のうち9割がリモートで働いているが、既に台湾や中国の大部分のオフィスでは出社を再開している。「科学的でデータに基づいた判断は、従業員が非常に不確実な時期を切り抜けるうえで極めて重要だ」(ラモローCHRO)。

新型コロナ禍で加速した「HR3.0」

 「新型コロナの世界的大流行は、企業の人事の在り方を加速度的に変えた」とラモローCHROは語る。現在の人事体系の在り方を同社は「HR3.0」と呼ぶ。工業社会の「HR1.0」では品質とコンプライアンス(法令順守)に重きを置いていたが、インターネット時代の「HR2.0」では人事管理プロセスやタスクをオンラインで処理できるようになった。人事機能をプロセス化し、効率化することが重視されるようになった。