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 国内携帯電話大手3社の2021年4~6月期決算(国際会計基準)が出そろった。KDDI(au)とソフトバンクが前年同期比で増収増益となる一方、NTTドコモは増収減益だった。各社とも屋台骨の個人向け携帯電話事業が、政府の度重なる要請を踏まえた「官製値下げ」の影響で縮んだ点は共通している。金融やコマースなど通信以外の事業でどこまでカバーできたかによって、明暗が分かれた格好だ。

国内携帯電話大手3社の2021年4~6月期連結決算(国際会計基準)
企業名売上高(前年同期比増減率)営業利益(前年同期比増減率)
NTTドコモ1兆1596億4200万円(5.6%)*2443億9900万円(▲12.9%)
KDDI(au)1兆3002億6400万円(4.6%)2991億9300万円(2.9%)
ソフトバンク1兆3565億7400万円(15.7%)2830億9900万円(1.1%)
* NTTドコモは営業収益

 KDDIが2021年7月30日に発表した2021年4~6月期の連結売上高(国際会計基準)は前年同期比4.6%増の1兆3002億6400万円、営業利益は同2.9%増の2991億9300万円だった。「au」や「UQモバイル」、新ブランド「povo(ポヴォ)」で構成する「マルチブランド通信ARPU収入」は、およそ117億円目減りした。それを金融やコマース、エネルギーなどで構成する「ライフデザイン領域」や、ローミング収入を含む「その他」といった事業がカバーした。

2021年4~6月期決算で増収増益を発表するKDDIの高橋誠社長
2021年4~6月期決算で増収増益を発表するKDDIの高橋誠社長
(写真提供:KDDI)
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 KDDIと同じくソフトバンクも個人向け携帯電話事業以外が業績を下支えした。通信料金の引き下げによる約100億円の減収影響を、LINEの子会社化や端末販売の回復、法人事業の拡大などで補った。売上高は前年同期比15.7%増の1兆3565億7400万円、営業利益は同1.1%増の2830億9900万円だった。

「LINEMOの契約数は50万件に満たない状況」と説明するソフトバンクの宮川潤一社長
「LINEMOの契約数は50万件に満たない状況」と説明するソフトバンクの宮川潤一社長
(写真提供:ソフトバンク)
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 料金競争の影響がより濃く出たのは最大手のNTTドコモだ。営業収益(売上高に相当)は前年同期比5.6%増の1兆1596億4200万円、営業利益は同12.9%減の2443億9900万円で増収減益となった。同社は2021年3月にオンライン専用ブランド「ahamo(アハモ)」を導入し、同4月には大容量プランを「ギガホ プレミア」に改定して値下げした。一連の料金施策を背景に、稼ぎ頭である「モバイル通信サービス収入」で97億円の減益影響が出た。同社が「スマートライフ」と呼ぶ成長領域も今期は伸び悩み、本業の低調をカバーしきれなかった。

 新たな料金競争によって少なからず業績への影響を受けている携帯大手3社。気になるのは、その影響が今後どこまで広がるかだ。