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 SCSKとNECはデータセンター(DC)事業で協業する。

 両社はクラウドサービスなどにセキュアかつ低遅延に接続できる環境を千葉県印西市にあるSCSKのDCに構築し、同環境を使ったSIサービスを2022年上半期から順次提供していく計画だ。ユーザー企業が業務システムをAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといったパブリッククラウドに移行させているなか、システムインテグレーター(SIer)ならではのDCサービスを提供する。

千葉県印西市にあるSCSKのデータセンター
千葉県印西市にあるSCSKのデータセンター
(出所:SCSK)
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 SCSKは「印西キャンパス」と呼ぶ印西市の拠点で2棟のDCを運営中で、2022年4月には3棟目も開設を予定している。2021年7月14日に発表した今回の協業では、SCSKとNECはそれぞれのシステム構築・運用サービスで印西キャンパスのDCを利用する。

 さらに、同DCにSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業者やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)事業者、通信事業者、インターネット接続事業者やDC事業者の回線を相互接続する施設であるIX(インターネット・エクスチェンジ)事業者といったサービスプロバイダーも共同で誘致する。

 SCSKとNECはそれぞれのSIサービスの顧客に対して、誘致したプロバイダーに閉域網で接続できるサービスを提供する。DC内もしくはDC間でシステム間をつなぐ「インターコネクション」と呼ばれるサービスだ。それぞれのSIサービスにプロバイダーの製品を組み込んだり、両社の顧客システムをインターコネクションで相互接続したりすることも計画しているという。

今回の協業によるデータセンターサービス提供のイメージ
今回の協業によるデータセンターサービス提供のイメージ
(出所:SCSK)
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オンプレ向けDCは底堅い需要

 今回のようにSIer同士がDC事業で協業するのは、過去にも例が少ない。特に大手SIerはSIサービス向けに自前のDCを持っているからだ。

 ただし近年、日本で新設されるDCのほとんどが「ハイパースケール」と呼ばれる大手クラウド事業者向けで、SIerがDCを新設するケースは以前に比べると減っている。SCSKの理事でソリューション事業グループnetXデータセンター事業本部長を務める小笠原寛氏は「クラウドへの移行が進むなか、オンプレミスだけでシステムを構築する企業はほとんどなくなっている」と話す。