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 国内製薬大手がデータ活用人材の獲得に向けた動きを活発化している。2021年8月7日に国内製薬企業5社が「なぜ今、製薬企業のデータサイエンスが面白いのか?」と題した合同オンラインイベントを開催した。ライバルと手を組んだ背景には、製薬業界のデータ活用事例が業界外に伝わっていないという問題意識がある。

 主催したのはアステラス製薬、エーザイ、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、中外製薬の5社。データサイエンスやデータエンジニアリングの研究・業務に従事する人を主な対象としたイベントで、各社がデータ活用事例を紹介する講演会と、参加者が各社の担当者とコミュニケーションを取れるキャリア相談会が開かれた。延べ約630人が参加し、盛んに質問が飛び交った。

データ活用人材争奪戦に製薬企業も参戦している
データ活用人材争奪戦に製薬企業も参戦している
(出所:123RF)
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 オープニングトークでは、中外製薬の担当者が「製薬企業は独自のデータを持っていて、研究、開発、生産、マーケティングといったあらゆる場面で面白いことをやっているが、業界の外にはそうしたことが伝わっておらず、関心を持たれていないのではないかという課題認識があった」と開催の意図を説明した。製薬業界におけるデータ戦略やデータ活用事例の一端を発信することで、製薬業界に興味を持ってもらうことが狙いだ。

 中外製薬デジタル戦略推進部が発起人となり、賛同する4社が集まって今回のイベントが実現した。単独ではなく合同開催とした理由としては「製薬業界のことを広く概観できるため、幅広い集客が期待できる」とし、「業界全体としての課題解決に資するのではないかと考えた」(中外製薬)という。