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 小売業界で事業会社がエンジニアを雇用し、システム開発の内製に力を注ぐ動きが活発化している。

 生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画は2021年9月に始まる中期経営計画(2022年8月期~2024年8月期)で、デジタル組織を新設しエンジニアなどの「プロ人材」を100人規模で中途採用すると明らかにした。セブン&アイ・ホールディングスやホームセンター大手のカインズも近年、エンジニアを大量に採用し、内製組織づくりを進めている。新型コロナウイルスの影響で経営環境が様変わりする中、各社はシステム開発の内製力を身に付け、変化に素早く対応できる体制を整える狙いだ。

良品計画は中期経営計画で、デジタル組織を新設しエンジニアなどの「プロ人材」を100人規模で採用する方針を掲げた
良品計画は中期経営計画で、デジタル組織を新設しエンジニアなどの「プロ人材」を100人規模で採用する方針を掲げた
(撮影:日経クロステック)
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数人のエンジニアを100人規模に

 良品計画は2021年9月に「EC・デジタルサービス部」を立ち上げるのに伴い、現在は数人しかいないエンジニアを、今後100人規模で採用する予定だ。EC(電子商取引)やアプリのUI/UXの向上などを進める計画で、「フロントエンドやビジネスサービス設計、EC・WEB運用などの人材の雇用を想定している」(広報)。同社はすでに一定程度のシステム開発を内製しており、さらに開発力を高める方針という。

 セブン&アイは2019年からシステム開発の内製化に乗り出している。同年10月にエンジニア専門の採用チームを立ち上げ、2021年6月までに「約160人のIT/DX人材を採用した」(セブン&アイ)。エンジニアゼロの状態から着々と内製力を身に付けてきた。

 今後も開発案件の需給を見ながらエンジニアを雇用する計画で、「少なくとも倍(さらに160人)は採用できると考えている」と、同社の米谷修執行役員グループDXソリューション本部長は語る。グループ共通の会員基盤「7iD(セブンアイディ)」やCRM(顧客関係管理)など、重要施策と位置付けるシステムは内製部隊を主体に開発・改善を進める方針だ。

 カインズもここ数年で内製化に大きく舵(かじ)を切った企業の1社だ。2019年1月にデジタル部門を立ち上げて以降、エンジニアを中途採用し、約10人だったデジタル戦略担当を2年で約150人まで増やした。会員アプリや店舗の取り置きシステムの開発、ECサイトのリニューアルなどをすべて内製で実現している。