トヨタ自動車の子会社ウーブン・プラネット・ホールディングスは2021年8月17日、グループ会社のウーブン・アルファが開発する自動地図生成プラットフォーム「AMP(Automated Mapping Platform)」の実用化に向けた説明会を開催した。
AMPは専用の測量車を使わず、衛星写真や航空写真、車載カメラの映像などからセンチメートル級の高精度地図を生成する技術。衛星写真や航空写真を使って地上の広い範囲を一括でデータ化するとともに、車載カメラの映像などを使って地図データの更新頻度を高める。「車線や道路標識といった道路上のオブジェクトに加え、そのつながりや意味なども地図上で把握できる」(ウーブン・プラネット・ホールディングスVice President of Automated Driving Strategy and Mappingのマンダリ・カレシー氏)という。
車載カメラとしては、先進運転支援システム(ADAS)用のカメラに加え、ドライブレコーダーのような安価なカメラも視野に入れる。ドライブレコーダー用のカメラは、ADAS用ほどには校正(キャリブレーション)されておらず、データの抽出や地図データへの反映が難しいという。
ウーブン・プラネット・ホールディングスは、ドライブレコーダーを含む多種多様なセンサーからデータを集めて地図を更新する技術を、18年から米CARMERA(カーメラ)と共同で開発してきた。21年7月にはカーメラの買収を発表し、同社の技術を本格的に活用する。また、AMPを米国市場に展開する際にも、カーメラのノウハウを生かす。
リリース: https://www.woven-planet.global/jp/news-release/20210715/42XoRU2BnraOK1XT5I8N78専用の測量車を使わない分、ダイナミックマップ基盤(DMP、東京・中央)などが提供する高精度地図に比べると、精度は劣るという。このため、高い精度が求められる一部の用途では「DMPなどの高精度地図との組み合わせが必要」(同氏)とする。ただ、AMPは安価で更新頻度が高い上に、クラウド上でデータの編集や解析などが可能なことから、「さまざまなビジネスに活用できる可能性が高い」(同氏)という。その意味で、AMPは単なる地図データではなく、「サービスプラットフォーム」と位置づける。