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 Apple Watch追撃を狙って、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が2021年8月11日(現地時間)に発表したスマートウオッチ「Galaxy Watch4シリーズ」 ニュースリリース 。新たなOSとして「Wear OS Powered by Samsung」を搭載したこと、およびCPUとして同社の「5nmプロセス」で造る新SoC(System on a Chip)「Exynos W920」を採用したことが目をひく。

「Galaxy Watch4シリーズ」
「Galaxy Watch4シリーズ」
(出所:Samsung Electronics)
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 同社のスマートウオッチはこれまでOSとして「Tizen」を搭載してきた。同社がTizenプロジェクトにずっと積極的だった経緯を考えれば妥当な選択だが、アプリケーションが少ないことは課題だった。そこで、同社は米Google(グーグル)と手を組み、TizenとGoogleのスマートウオッチ向けOS「Wear OS by Google」を統合することにした。このOSの統合は21年5月に発表され*1、今回、Wear OS Powered by Samsungとして完成し、初めてSamsungのスマートウオッチに搭載された。利用できるアプリが増え、Androidスマートフォンとの連携も強化される。

*1 関連記事 グーグルのWear OSがTizenと統合、Apple Watchの牙城を崩せるか

 この新OSが稼働するSoCのExynos W920は、Galaxy Watch4シリーズより1日早い21年8月10日(現地時間)に発表された ニュースリリース 。Exynos W920は、4種類のICからなる。本体といえるアプリケーションプロセッサーIC、パワーマネジメントIC(PMIC)、DRAMメモリーIC、eMMC(embedded Multi Media Card:NANDフラッシュメモリーICとコントローラーICからなる)である。

Exynos W920の主な仕様
Exynos W920の主な仕様
(出所:Samsung Electronics)
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 アプリケーションプロセッサーICは、Samsungがいう「5nmプロセス」で製造する。5nmプロセスは現在量産適用されている最先端プロセスである。アプリケーションプロセッサーICは1.18GHz動作のCPUコア「Arm Coretx-A55」が2つと、GPUコア「Arm Mali-G68 MP2」、LTEモデム、GNSSモデム、ビデオコーデックなどを集積する。さらに、スマートウオッチで要求される常時表示(Always-on-display)機能に向けて、ディスプレー表示専用のプロセッサーとして「Arm Cortex-M55」*2を集積している。メインのCPUコアよりも低消費電力でディスプレー表示を制御できる。qHD(960画素×540画素)のディスプレーをサポートし、グラフィックス処理性能は既存のスマートウオッチ向けSoC「Exynos 9110」の約10倍という。

*2 関連記事 エンドポイントAI向けに英アームがCPUコアとNPUコア、集積SoCは21年初頭に登場