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 楽天傘下の楽天ペイメントは2021年8月25日、スマホ決済「楽天ペイ」の新規加盟店向け決済手数料を無料にするキャンペーンを発表した。スマホ決済の手数料を巡っては、最大手のPayPayが最低1.6%にすると明らかにするなど、有料化の動きが相次ぐ。

 ただ、各社とも決済手数料だけで収益を上げるのは難しいのが実情だ。消費者向けの大規模な還元キャンペーンという消耗戦を繰り広げた各社は手数料の有料化で収益確保にかじを切ったと思いきや、手数料の水準を巡るぎりぎりの攻防が続く。体力に任せた消耗戦は終わりそうにない。

楽天ペイの利用イメージ
楽天ペイの利用イメージ
(出所:楽天ペイメント)
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 楽天ペイメントは中小加盟店を対象に2021年10月1日から1年間、コード決済手数料の全額を上限なしでキャッシュバックする。年間売上高が10億円以下で、8月25日以降に「楽天ペイ」に申し込んだ加盟店が対象。現在の決済手数料は決済金額の3.24%で、キャンペーン開始後も既存加盟店向けの手数料率は据え置く。

加盟店向け手数料還元キャンペーンの概要
加盟店向け手数料還元キャンペーンの概要
(出所:楽天ペイメント)
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 同キャンペーンを適用した加盟店に対しては、楽天銀行以外の口座でも毎月1回自動入金され、この振込手数料も2022年9月分まで実質無料(振込手数料同額をキャッシュバック)とする。通常は楽天銀行以外の口座を振込先に指定した場合は振込のたびに手数料がかかる。

楽天ポイントの概要
楽天ポイントの概要
(出所:楽天ペイメント)
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 楽天ペイメントが最大の強みとするのが楽天ポイントとの連携だ。楽天によると同ポイントの発行額は2020年度実績で年間4700億円分。「スマホを操作し、指先1つでポイントをためたり使ったりできる。ポイントを基盤に、これまでも様々なFinTechサービスを提供してきた」(楽天ペイメントの小林重信楽天ペイ事業本部本部長)。小林本部長によれば、9割のポイントが実際に使われるという。潤沢な楽天ポイントの使い先として、加盟店は高い集客効果を期待できるとする。

 調査会社MMD研究所によると、楽天ペイの利用シェアは14.8%と3位。加盟店数はコード決済や電子マネーを含めて500万カ所だ。シェア拡大に向け、「まだ導入していない店舗の背中を押すべく新しい施策を発表した。加盟店には楽天ポイントを基盤に、優良な顧客を送客できる。中小の事業者にとって楽天ペイを入れない理由はない」。小林本部長はこう胸を張る。