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 米DexCom(デクスコム)が開発した血糖測定器「Dexcom G6 CGMシステム(以下G6)」の日本での販売が、テルモによって2021年7月27日から始まった。腹部などに貼り付け24時間継続的に血糖濃度を測定し、スマートフォンなどでデータをリアルタイムで受け取れる。血糖値の経時的な変化を分析することで、少し先の血糖変化を予測して利用者の行動変容を促す。

 G6は極細の針がついたセンサーとBluetoothトランスミッターがセットになった装置で24時間の常時モニタリングを行う。部品は交換式で、最長でセンサーは10日間、トランスミッターは90日間使うことができる。

G6は腹部などに貼り付けて血糖値をモニタリングする
G6は腹部などに貼り付けて血糖値をモニタリングする
(出所:DexCom)
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 長期間体に貼り付けたままになることから、侵襲性の低さを意識している。大きな特徴は、針を血管よりも浅い位置で止め、血液ではなく血管から染み出た間質液を分析することだ。DexComが血糖測定装置の開発で培った長年の知見を生かし、間質液中でブドウ糖(グルコース)が分解されるときの反応を基に、血糖値を間接的に測定する手法を編み出した。

 血糖は血液中に含まれるブドウ糖のことを指す。ブドウ糖は細胞が活動を続けるためのエネルギー源となる。食事を取ると血中のブドウ糖濃度は上昇するが、通常はインスリンというホルモンが作用することで血糖値は一定の範囲で保たれている。

 インスリンの働きが悪くなったり分泌自体が止まったりしてこのバランスが崩れるのが糖尿病だ。血糖値が高い状態が続くと様々な合併症を生じるため、糖尿病患者は定期的にインスリンを注射して血糖値を下げる必要がある。逆に血糖値が低くなりすぎると低血糖と呼ばれる状態に陥り、冷や汗や頭痛、ひどい場合には失神することもある。

 適切な血糖値を維持するには定期的に測定し、状態を把握することが必要だ。指先に針を刺して血液を採取する方法が一般的で、多い人では1日に5回以上も行う。血が見えるため人目を気にして採血のたびにトイレに行ったり、採血を繰り返すことで指先の皮膚が硬くなったりするといった問題があり、患者のQOL(生活の質)低下が指摘されていた。

従来の血糖測定のイメージ
従来の血糖測定のイメージ
(出所:123RF)
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 さらに決定的な問題点としては、採血した時点での血糖値しか分からないということがあげられる。DexComアジアパシフィック事業開発シニアディレクターの安藤友彦氏は「血糖は常にダイナミックに変動している。1日の中のある時点における血糖値を数回測定しても、その間にどんな変動をしているかは分からない」と指摘する。