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 富士通が社員の働く場所を柔軟に変更できる取り組みを進めている。特に大分県と協定を結び、2021年4月に移住説明会を開催するなど、社員の同県への移住に積極的な姿勢を見せている。実際に、2021年6月時点で6人の移住が決定。一部の社員は既に大分県内での生活をスタートさせている。そのうちの2人になぜ移住しようと考えたのか、業務や生活に支障はないのかなどを聞いた。

コロナ禍でのテレワークが移住の契機に

 「大分県への移住の話は、私以上に妻が乗り気だった」――。こう語るのは富士通ソフトウェアプロダクト事業本部アプリケーションマネジメント事業部第四開発部の吉岡優太氏だ。吉岡氏は2021年5月末に、妻と子どもの合計3人で神奈川県から大分市へ移住した。吉岡氏は大分県出身で妻は熊本県出身。「互いの両親の近くに住めたらいいなという考えは夫婦の間で以前からあった」という。そこに富士通から大分県への移住話が飛び込んできたといい、ほぼ即決で移住を決めた。

 移住を決めたもう一つの要因が、新型コロナウイルス禍でテレワークが常態化していたことだった。出社は少なく、ほとんどの業務は自宅でできた。休日も密を避けるため家族で街中へ遊びに出かけることは難しく、「首都圏に住む理由がなくなっていた」(吉岡氏)。

 移住した結果、生活は快適だという。自宅の間取りは移住前の1LDKから1部屋増え、そのうえ家賃は1カ月あたり数万円下がった。以前は自家用車を持つのを控えていたが、安くなった家賃分の余裕で車を購入できた。もちろん首都圏とは異なり、大分では生活に車が欠かせないという事情もあるが、「週末に車を使って、熊本県の阿蘇市など自然あふれる公園に子どもと出かける機会が増えた」という。

 業務面も移住前と何も変わりがない。「テレワークが当たり前になっていたことに加え、業務がソフトウエア開発の担当で、営業やSEのように客先へ出向く役割の部署ではなかった」(吉岡氏)ためだ。平日は仕事をして、週末は密を避けながら車で出かけるなど、メリハリのある毎日が楽しいという。