全3036文字
PR

 欧州Stellantis(ステランティス)のPeugeot(プジョー)ブランドは、2022年に日本で発売する小型ハッチバックの新型「308」、および高性能モデルの「508PSE(PEUGEOT SPORT ENGINEERED)」を、同社主催のユーザー向けイベント「LION EXPERIENCE 2021」(21年9月2~5日、六本木ヒルズ)で日本初公開した。日本での正式発表はこれからになるが、イベントに合わせて概要を説明した。

 ステランティスは、21年1月にフランスGroupe PSA(グループPSA)と欧米Fiat Chrysler Automobiles(FCA)の経営統合によって誕生した。世界で14もの乗用車ブランドを抱え、日本では7ブランドを販売する。

Groupe PSA Japan代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏
Groupe PSA Japan代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏
(撮影:日経Automotive)
[画像のクリックで拡大表示]

 Groupe PSA Japan代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)のPontus Haggstrom(ポンタス・ヘグストロム)氏によると、「日本における7ブランドの販売台数は21年1~7月に約2万8000台となり、前年比で+42%成長した」。中でもプジョーは「日本におけるステランティスのポートフォリオの中で最も売れているブランドだ」(同氏)という。好調なJeep(ジープ)ブランドをしのぐ台数を販売しており、21年1~7月の成長率は前年比+63%とする。

 販売が好調な理由の1つが、電動車を積極的に投入していることだという。プジョーの電動車には、電気自動車(EV)の「e-208」「e-2008」や、プラグインハイブリッド車(PHEV)の「508 HYBRID」「3008 HYBRID4」などがある。今回展示した新型308や508PSEもPHEVである。

新型308を先行展示
[画像のクリックで拡大表示]
新型308を先行展示
[画像のクリックで拡大表示]
新型308を先行展示
[画像のクリックで拡大表示]
新型308を先行展示
(撮影:日経Automotive)

改良版のプラットフォームを採用

 プジョー308は世界で累計700万台以上の販売実績を持つ小型ハッチバック。「ハッチバックというと、SUV(多目的スポーツ車)ブームの中、あまり期待できないのではないかと思われるかもしれないが、308はプジョーの国内販売台数の中で20~30%を占めてきた重要なモデルだ」(Groupe PSA Japanマーケティング部 商品企画グループ プジョープロダクトマネージャーの上村学氏)という。プジョーの新エンブレムを付ける最初のモデルである点も、プジョーからの高い期待値の表れだという。

プジョーにおける「308」の国内販売比率
プジョーにおける「308」の国内販売比率
(出所:Groupe PSA Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 全面改良された新型308は、プラットフォームに「EMP2」の改良版である「EMP2 V3」を採用する。V3では多くの新規部品や改良部品を採用し、空力性能の向上や軽量化、最新ADAS(先進運転支援システム)への対応、静粛性や燃費の改善を図った。1つのプラットフォームでエンジン車と電動車に対応でき、プジョーが掲げる多様なパワートレーン戦略「Power of Choise」を支える。Power of Choiseは、ステランティス全体の信念でもあるという。

改良版のプラットフォーム「EMP2 V3」
改良版のプラットフォーム「EMP2 V3」
(出所:Groupe PSA Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本市場向けには排気量1.2Lのガソリン車、1.5Lのディーゼル車、1.6Lのガソリンエンジンと前輪モーターを組み合わせるPHEVの3つを用意する。いずれも8速AT(自動変速機)と組み合わせる。PHEVの最高出力は225ps、最大トルクは360N・m。欧州仕様では180psのPHEVもあるが、日本市場向けでは225psのPHEVのみとなる。

日本市場向けのパワートレーン構成
日本市場向けのパワートレーン構成
(出所:Groupe PSA Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 車両寸法は全長4360×全幅1850×全高1430mm、ホイールベースは2675mm。現行の308に比べて全長は105mm長くなり、フロントウインドーの位置は100mm後退した。全高は20mm低くなり、ロングノーズの形状が強調された。ホイールベースは55mm長くなった。これにより、後席のレッグスペースが30mm拡大した。

 ステーションワゴンの「308 SW」は現行の308で約40%の販売比率を占める。ハッチバックの後に導入する。新型308 SWの車両寸法は全長4640×全幅1850×全高1440mm、ホイールベースは2732mm。新型308ハッチバックに比べて、全長は280mm長く、全高は10mm高く、ホイールベースは57mm長くなる。荷室容量は608Lとハッチバックに比べて、196L増える。

 日本ではハッチバックの新型308を22年第1四半期、ステーションワゴンの新型308SWを22年第2四半期以降に発売する予定である。

コックピットに新型IVIを初採用

 新型308のコックピットは、従来の「i-Cockpit」と呼ぶコンセプトを踏襲しつつ、機能強化を図った。具体的には、「i-Connect」と呼ぶ最新のIVI(車載インフォテインメント)を初搭載する。10インチのタッチスクリーンを備え、スマートフォンやタブレットに近い操作環境を実現する。コネクテッド機能を備え、日本語の音声認識による操作も可能である。

 ただし、コネクテッド機能のうち、OTA(Over The Air)については日本での対応はまだはっきりしておらず、「欧州仕様に比べると、できることが限定される見通し」(Groupe PSA Japan)という。例えば、「バグを修正するためのOTAはありうるが、ADAS機能のアップデートは難しい」(同社)という。地図データの更新なども、「高頻度での更新は難しい」(同社)とする。

 タッチスクリーンの下側には「i-Toggle」と呼ぶショートカットスイッチがある。ここにエアコンや電話、オーディオ、アプリケーション、ADASなどの機能を自由に割り当てられる。

 ステアリングホイールの上から視認するメータークラスターにも10インチのデジタルパネルを採用する。上位グレードでは、このパネルが3次元(3D)表示となる。