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 日産自動車は2021年9月3日、早稲田大学と共同で、電動車用モーター磁石からレアアース化合物を低コストでリサイクルする技術を開発したと発表した。20年代中ごろの実用化を目指す。欧州を中心に広がる循環経済(サーキュラーエコノミー)の潮流にいち早く備える。

リサイクル工程の様子(出所:日産)
リサイクル工程の様子(出所:日産)
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 欧州連合(EU)は20年末、電気自動車(EV)に搭載するリチウムイオン電池に関してリサイクル品の採用を義務化していく規制案を発表した。一方、モーターに関するリサイクルの規制案は今のところない。ただしモーターは電池と並ぶEVの中核技術であり、循環経済を重視していく中で規制化が検討される可能性はある。規制化されれば、日産がと早大が開発した今回の技術の価値は飛躍的に高まるだろう。

 日産と早大が新しく開発したのは、モーターの永久磁石からレアアースであるネオジム(Nd)やジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)を含んだ酸化物を短時間で回収する技術である。永久磁石を搭載するローターを加熱溶融するなどの新しい手法を開発し、手作業で解体する工程などを省いた。

モーターを構成するローター。永久磁石を搭載する(出所:日産)
モーターを構成するローター。永久磁石を搭載する(出所:日産)
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 例えば50個のローターを解体するのにかかる時間を、新技術では4時間程度と従来の半分にできる。「コストは時間に比例する」(日産の技術者)ため、コストも半減できると見込む。従来は脱磁のための加熱処理や手作業での解体などしており、同個数で8時間程度かかっていたという。