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 ダイキン工業が2021年9月6日、家庭用エアコンの最上位機種「うるさらX(Rシリーズ)」の新製品(2022年モデル)を披露した。競合他社に対する開発設計の差異化ポイントは2つ。[1]排気機能と[2]省エネ除湿機能である。新型コロナウイルス禍における顧客の潜在的なニーズを捉えた。

家庭用エアコン「うるさらX」の新製品
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家庭用エアコン「うるさらX」の新製品
排気機能と除湿機能を付加価値とした。(写真:日経クロステック)

 同社は、2020年に国内の家庭用エアコンで「トップシェア」(同社推定)を確保し、足元の販売も業界平均を上回っている。その人気を大きく支えているのが、冷暖房しながら換気ができる機能だ。新型コロナ禍で高まった顧客の換気ニーズをいち早く捉えたことが功を奏した。ただし、従来の製品は外気を室内に送り込む給気はできたものの、室内の空気を外に排出するには窓を開けたり、換気扇を使ったりする必要があった。

 そこで、ダイキン工業が新しい製品に搭載したのが、[1]の排気機能だ。窓の開閉や換気扇を使う手間をかけずに、リモコンボタンを押すだけで室内の空気を外に送り出すことができる。この排気機能を実現するために同社が設計に工夫を凝らしたのが、給気と排気を切り替えるダンパーと、同社が「換気ファン」と呼ぶシロッコファンだ。

ダンパーと換気ファン(シロッコファン)
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ダンパーと換気ファン(シロッコファン)
排気機能を実現するために開発設計した部品。室外機の上面に設ける。ダンパーの左側にあるのはゼオライトローター。(写真:日経クロステック)

 ダンパーは、反時計回りに上限(上死点)まで移動すると、室内機へ向かう穴に流路がつながり、外気が室外機側に流れ込む。逆に、ダンパーが時計回りに下限(下死点)まで移動すると、室外機へ向かう穴に流路がつながり、室内の空気が外に流れ出る仕組みだ。

給気と排気を切り替える仕組み
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給気と排気を切り替える仕組み
ダンパーが上死点に移動すると、室内へつながる穴に流路がつながって給気を行う。ダンパーが下死点に移動すると、室外へつながる穴に流路がつながって排気を行う。(写真:日経クロステック)

 ただし、給気と排気の両流路を設け、これらをダンパーで切り替える複雑な方式を採用したことから、流路の抵抗が増えた。そこで、同社はシロッコファンの羽根の形状を最適化し、かつ直径を10mm程度大きくして、静圧を5%程度高めた。静圧とは流路の抵抗に対抗する圧力のこと。これにより、従来の製品と同じ風量を確保した。なお、シロッコファンの羽根の枚数は減らしているという。

シロッコファン
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シロッコファン
裏側から見た。羽根の形状を変え、かつ直径を大きくして、静圧を高めた。このシロッコファンはダンパーの上に搭載される。(写真:日経クロステック)