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 農林水産省は現在整備中の「農林水産省共通申請サービス(eMAFF)」に、マイナンバーカードで身元確認が可能なデジタル身分証アプリを府省庁として初めて導入した。これにより、農林漁業者らが完全非対面でeMAFFアカウントを取得できるようにした。さらに、農地情報の整備を通じて地番を公的データとして利用する道筋もつけた。同アプリには、認証サービスを手掛けるTRUSTDOCKの「TRUSTDOCK」を採用した。

 農水省は2022年度までに約3000件の全行政手続きをオンライン化するeMAFFを整備中だ。農林漁業や食品製造などの従事者は2021年7月末からデジタル身分証アプリを利用してアカウントを取得できるようになった。

 農林漁業者はほとんどが個人事業主だ。これまでeMAFFで許可や補助金などのオンライン申請ができるアカウントを取得するには、事前に対面での身元確認が必須だった。具体的には市町村にある関係機関で身元確認をしてもらうか、印鑑証明書を郵送して「gBizID(GビズID)」のプライムアカウントを取得する必要があった。GビズIDは経済産業省が整備し、デジタル庁に業務移管した法人向け認証サービスである。

 農林漁業者らがデジタル身分証アプリを使うと、スマートフォンやマイナンバーカードを用いてeMAFFのアカウントを完全非対面で取得できる。マイナンバーカードの内蔵ICチップに搭載した公的個人認証サービス(JPKI)の電子署名を使って身元を確認する。マイナンバー自体は利用しない。

農林水産省の共通申請サービス(eMAFF)のWeb画面
農林水産省の共通申請サービス(eMAFF)のWeb画面
(出所:農林水産省)
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 農水省は既にeMAFFで約900種類のオンライン申請などを受け付けており、登録アカウント数は約2400人という。農林漁業者らが原則として24時間365日にわたって手続き可能なほか、農水省や市町村の受付担当者も過去の申請データなどを参照して業務を効率化できる。新たに申請が必要な制度ができると、農水省職員らがすぐeMAFFに申請画面を作れるメリットもある。