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 日産自動車は、2021年9月21日から横浜市のみなとみらいおよび中華街エリアで、NTTドコモと共同で自動運転車を用いたオンデマンド配車サービスの実証実験を実施する。その実証実験において、従来は自動運転システムを監視するために同乗させていたオペレーターと、自動運転車の後ろを走らせていた伴走車を省くことを明らかにした。

 日産はこれまで、横浜においてオンデマンド配車サービスの実証実験を2度実施している。その際、規制当局のガイドラインに基づき、自動運転車には、いざというときに運転を引き継ぐセーフティードライバーと、自動運転システムを監視するオペレーターを同乗させ、さらに自動運転車の後ろに伴走車を走らせていた。

 3度目となる今回は、オペレーターと伴走車を省けるようにシステムを構築し、規制当局から了承を得た。具体的には、オペレーターの判断・監視機能をECU(電子制御装置)化してシステムに組み込んだとする。

 同乗のオペレーターや伴走車はなくすが、セーフティードライバーが普通に運転していて危ないと感じたら、すぐに運転を引き継ぐことで安全性を高める。自動運転の実証実験では、人間が介在しない比率が高いほど自動運転が高度とみられることから、ぎりぎりまで運転を引き継がないケースがある。日産では安全を重視しそうした指標は採用していないという。

 また、訓練を受け、システムを熟知し、どういう場合にリスクが高いかを分かっている人材がセーフティードライバーを務める。さらに、遠隔操作も組み合わせることで安全性を確保する。

 今回の実証実験に使う車両は、レベル2の自動運転車である(図1)。日産は、自家用車では高速道路におけるレベル2プラスの車種を市販しているが、同実証実験に使う車両では、一般の車両が混在する一般道での運行となる。そのため、カメラやレーダー、LiDAR(3次元レーザーレーダー)といったセンサーの搭載数を増やし、複雑化するロジックに対処するための専用のコンピューターも搭載しているという(図2)。

図1 実証実験に使う自動運転車
図1 実証実験に使う自動運転車
「e-NV200」をベースとする自動運転車を使う。「Easy Ride」はディー・エヌ・エーと日産の、自動運転車を用いた交通サービスの名称。「AI運行バス」はAI(人工知能)を活用したNTTドコモのオンデマンド交通システムの名称。(出所:日産自動車)
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図2 自動運転車に搭載するセンサーと車載コンピューター
図2 自動運転車に搭載するセンサーと車載コンピューター
(出所:日産自動車)
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