米Apple(アップル)が電子書籍や音楽などのコンテンツ配信アプリで外部リンクの制限を緩和することを2021年9月1日に明らかにした。いわゆるリーダー(閲覧)アプリからコンテンツ購入サイトへのリンクを張り、ユーザーが簡単にアクセスできるようにした。日本の公正取引委員会が2016年から続けてきた独占禁止法に基づく審査を受けて一部譲歩したものだが、アップルを含む巨大IT企業に対する各国の規制当局の「包囲網」は強まる一方だ。
アップルが制限を緩和するのは、電子書籍や音楽、動画といったコンテンツ配信のリーダーアプリだ。これまでアップルは、アプリの提供元がアプリ内でコンテンツを販売する場合、「IAP」と呼ばれるアップルの課金方式を使うことを義務づけてきた。IAPによるコンテンツ販売では、アップルが15~30%の手数料を徴収する。
アプリ提供元が外部のWebサイトで追加コンテンツを販売することは可能だが、アプリ内から外部サイトへのリンクを張ることはアップルが禁止している。このためユーザーが外部サイトでコンテンツを購入するには別途Webブラウザーを立ち上げアクセスする必要があり、使い勝手が悪くなっていた。
iPhoneなどで使うアプリは通常、アプリ配信サービス「App Store」からダウンロードする仕組みとなっている。アプリ提供元がApp Storeでアプリの提供を始める前には、アップルがアプリの内容を審査。上記の制限に反するアプリはApp Storeへの掲載が認められない。