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 2021年で21回目を数えるアジア最大級のディスプレー学会「IMID(International Meeting on Information Display)」が、韓国・ソウルの展示場「COEX」で同年8月25日から3日間開催された。ただし、今回は講演会も展示会も現地開催とオンライン開催とのハイブリッド形式となった。

 海外19か国から143件の論文が集まり、合計674件に達した。論文の国別の内訳は韓国531件、日本38件、米国27件、中国25件、ドイツ9件、英国8件、香港7件、ベルギー5件、カナダ5件、台湾4件と続く。招待論文は通常セッション125件と特集セッション14件の合計139件あり、外国からの投稿の多くが招待論文になっていた。IMIDを世界中からディスプレー関連技術が集う学会として維持していこうという主催者側の強い意志が感じられる。最近は中国で開催される国際学会が増えており、論文の量だけでなく質も向上してきているので、ディスプレー産業を国の重要な産業と位置付ける韓国としては、IMIDは自分たちの競争力を高める絶好の機会と捉えているのだと思う。

 19年までは毎年600件以上の論文数を維持してきたIMIDだが、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインのみの開催となり510件と落ち込んでいた 関連記事 。21年はハイブリッド開催ということもあり、国内の論文数が大幅に増えて従来以上の水準にまで回復しているのは立派だ。参加者も同様に大幅に増加している(図1)。

 筆者はオンラインで参加したので、残念ながら展示会場の雰囲気を感じることはできなかった。ただ、19年までと同等のスペースで開催されており、参加者に話を聞くと盛況だったそうである。

図1 IMIDの参加者数と論文数の推移(過去4年分との比較)
図1 IMIDの参加者数と論文数の推移(過去4年分との比較)
(IMIDホームページの数値を基に筆者が作成)
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 図2はTFT関連の4つのセッション(TA1~TA4)の口頭発表者(録画がアップロードされた発表のみ)を地図上に記したものである。文字通り世界中からTFT関連の技術者が集まった国際色豊かな学会であった。内容も多岐にわたっていて発表を聞いていても飽きなかった。量も質も大変充実しており、アジアを代表するディスプレー国際学会として胸を張れる内容だと思う。

図2 IMID2021 TFT関連セッション(TA1~TA4)における口頭発表者(録画提供分のみ)の分布
図2 IMID2021 TFT関連セッション(TA1~TA4)における口頭発表者(録画提供分のみ)の分布
(図:IMID2021プログラムを基に筆者が作成)
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 ハイブリッド開催ということで、各セッションではあらかじめアップロードされた動画をVOD(ビデオオンデマンド)で見られるものと、ライブ映像で見られるものがあった。また、ライブ映像は、後日アーカイブとしてVODで配信された。ただし、アーカイブ映像が登録されるまでのタイムラグは大きかった。例えば基調講演の場合、筆者はまず後半をライブで視聴して、そのあと前半の動画を見るつもりだった。ところが、動画がアップロードはされず、見ることができずにがっかりした。なお、開催期間終了後に、その動画がアップロードされていて見ることができた。同じように他のセッションの当初ビデオがアップロードされていなかった発表も、開催終了後には、すべて見ることができるようになっていた。おそらくライブを見逃してしまった参加者からのクレームが多くて主催者側が追加でアップロードしたのだと推測するが、最初からすべてのセッションで録画とライブ映像を選択して見られるようにしてほしかった。