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 「不良品の画像データを準備することなく、工場のラインを流れる不良品を判別できる。開発したモデルの精度を検証用ラインで確認したところ、約95%の精度を実現した」。NECソリューションイノベータ東北支社第三グループの水谷仁紀プロフェッショナルは同社が提供する不良品検出AIモデルについてこう説明する。

 同モデルは良品画像の学習のみで不良品を検出するもので、NECソリューションイノベータが提供する「NEC AI・画像活用見える化サービス」の追加機能である。2021年8月17日に発表した。

 モデルの構築には米Googleが開発したニューラルネットワーク構築に使えるオープンソースの学習ライブラリー「TensorFlow」を活用した。さらに同社はオプションとして、プロジェクターを利用して工場のラインを流れる製品に対しAIの判定結果をマーキングする機能を提供し、目視での不良品検品作業の負担軽減や効率アップを支援する。

ラインへのマーキングの例。NECソリューションイノベータは、工場の実際のラインにプロジェクターでマーキングできるオプションを提供
ラインへのマーキングの例。NECソリューションイノベータは、工場の実際のラインにプロジェクターでマーキングできるオプションを提供
(出所:NECソリューションイノベータ)
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工場で不良品データを収集するのは難しい

 従来は不良品を検出するための画像認識AIモデルを開発するうえで、良品と不良品の画像を学習させていた。良品と不良品の特徴をそれぞれモデルに把握させることで、工場のラインを流れる良品の中から不良品を判別できる。だが工場で発生する不良品の数自体が少なかったり、めったに発生しない不良品もあったりすることがモデル開発の課題となっていた。

 例えばビスケットの検品では、焦げたり割れたりした不良品の画像を学習させることで、ラインを流れるビスケットが良品か不良品か、不良品の中でも焦げているのか割れているのかを判別する。このモデルを運用するうえで課題だったのは、学習データが準備できないような発生件数の少ない不良品に対応できなかったことだ。