全2201文字
PR

 日本生命保険が疾患の発症リスクを抑えるためのヘルスケアサービスの提供に力を入れている。同社は2021年8月、糖尿病などの予防に向けたサービス「血糖変動チェックプラン(じぶんで血糖チェック)」を始めた。法人向けのサービスで、原則40歳以上、糖尿病の治療中ではない従業員を対象にする。

 アボットジャパン(東京・港)の血糖管理システム「FreeStyleリブレ」を活用する。医療機器であるリブレを使うサービスは国内の生命保険業界において初の試みだという。同社の関連病院である日本生命病院の全面的な協力を得て提供可能となった。

血糖管理システムで血糖変動を確認するイメージ
血糖管理システムで血糖変動を確認するイメージ
(出所:日本生命保険)

 リブレによる血糖変動のモニタリングは今回のサービスの肝だ。ただし、リブレは適切な管理が必要な「高度管理医療機器」であるため、医薬品医療機器等法(薬機法)により、その取り扱いが規制されている。そこで今回、高度管理医療機器を取り扱える日本生命病院の協力を得た。「日本生命と日本生命病院、利用者の三者間契約のもとリブレを提供するというかたちで、今回のサービスが成立している」(日本生命保険 営業企画部ヘルスケア開発室の浦中麻由良ヘルスケア開発上席担当部長)

 一般論の健康アドバイスを受けても、生活習慣を変えられない人は多い。「数値を示して可視化することにより、自身でリスクに気づいてもらうことが重要と考えた」とリブレを利用する理由について浦中氏は説明する。

 血糖値は血中に含まれるグルコース(ブドウ糖)濃度を指す。リブレは、血糖値と高い相関がある間質液中のグルコース濃度を測定するシステム。血糖値を測定するには指先から少量の血液を採取することが多い。一方リブレを使えば上腕に貼ったセンサーが、表皮の近傍にある間質液中のグルコース値を2週間にわたり毎分測定し続ける。利用者はセンサーに専用のリーダーをかざすだけで、値を確認できる。体に負担のかからない低侵襲な方法で、血糖値と相関のあるグルコース値の変動、すなわち血糖変動をモニタリングできるというわけだ。

 「健康増進の目的で利用するデバイスは侵襲があると使いにくい。高い精度で計測できることも重要視しており、科学的根拠のある数値を示せるものを選んだ」と浦中氏は話す。

 サービス提供にあたり、保険業法にも留意した。保険会社は保険業法に基づいて事業を運営しており、特に保険以外のサービスを提供する場合は法律の範囲内であることが求められる。サービスを設計した当初は社内から心配する声もあがったというが、法律に適合することを説明してまわり、提供開始にこぎ着けた。