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 ホンダは、空飛ぶクルマと呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)や自身の分身となる遠隔操作ロボット(分身ロボ)、一部を再使用可能な小型ロケット、循環型再生エネルギーシステムなどの研究開発を進めていることを明らかにした(図1)。同社は、2030年のビジョンとして「すべての人に『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」ことを掲げる。その具現化に向けた取り組みの一部として進めているのが、これらの新領域における研究開発だ。同社が培ってきた燃焼・電動・制御・ロボティクスなどのコア技術を活用し、新領域への挑戦を開始している。

図1 新領域における研究開発の取り組みと方向性について説明する本田技術研究所代表取締役社長の大津啓司氏
図1 新領域における研究開発の取り組みと方向性について説明する本田技術研究所代表取締役社長の大津啓司氏
(撮影:日経クロステック)
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 中でも目を引くのが、eVTOLである(図2)。同社の持つ電動化技術を生かして、ガスタービンとのハイブリッド化によって航続距離を最大約400kmに延長する(図3)。オール電化のeVTOLは、航続距離が短いのが課題となっている。同社によれば、航続距離は100kmを切っており、都市内移動は可能でも今後市場の拡大が見込まれる都市間移動には使えない。同社は、ハイブリッド化で都市間移動への対応を狙う。

図2 ホンダが研究開発を進めるハイブリッド型eVTOLのスケールモデル
図2 ホンダが研究開発を進めるハイブリッド型eVTOLのスケールモデル
タンデムウイング(2枚翼)を使い、巡航時の消費エネルギーを低減するとともに、滑走路への緊急着陸を可能とする。(撮影:日経クロステック)
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図3 ハイブリッド型eVTOL向けに研究開発中の「ハイブリッドパワーユニット」
図3 ハイブリッド型eVTOL向けに研究開発中の「ハイブリッドパワーユニット」
ガスタービン(右側)と発電機(左側)から成るもので、ガスタービンで発電機を回すことで発電する。(撮影:日経クロステック)
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 事業化の目標時期を30年に定め、23年ごろには米国でプロトタイプを飛ばし、25年には同じく米国でハイブリッドの機体を飛ばす。それと並行してeVTOLのエコシステムを設計し、25年に事業化判断を入れて了承されれば認証取得を目指す。認証を取得できれば、30年に事業に入る計画だ。

 このeVTOLでは、ガスタービンで発電機を回す。推進力はモーターでプロペラを回転させることで発生させる。機体の上面に配したプロペラが垂直方向、機体後端に配したプロペラが水平方向の推進力を発生させる。