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3~4月に抑制量が増加

 太陽光への出力抑制は春に最も多くなる傾向にある。この時期は、適度な気温で冷暖房需要が減少することで電力需要が比較的低くなる一方、太陽光発電の出力が相対的に伸びるからだ。実際、 過去のデータを見ると、年間で出力抑制量が最も多い月は、3月、4月となっている。抑制量が最も多かった月の抑制量は、その年の年間抑制量全体の20%を占めることから、月によって抑制量に偏りが大きいことが分かる(図3)(図4)。

図3●CAISO管内における出力抑制量が最大になった月の年毎の比較
図3●CAISO管内における出力抑制量が最大になった月の年毎の比較
(出所:CAISOのデータをもとに筆者作成)
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図4● CAISO管内における太陽光・風力への出力抑制量・月別推移
図4● CAISO管内における太陽光・風力への出力抑制量・月別推移
(注:単位はMWh)(出所:CAISOのデータをもとに筆者作成)
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 こうした、春に多いという時期的な傾向は、すでに日本で出力抑制が頻繁に行われている九州電力管内でもほぼ同様になっている。

 太陽光と風力に対する出力抑制は、継続的な再エネ電源の新規導入で年々、増加している。カリフォルニアの「100%ゼロエミッション電源」目標を達成するために、CAISOは2021年にさらに1.6GWのメガソーラーと0.4GWの陸上風力を導入する予定である。これら2つのテクノロジーを組み合わせると、2021年にCAISOに追加される総電源容量の44%に相当する。