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 ミリ波帯の5G(第5世代移動通信システム)に対応した米国版「iPhone 13 Pro Max」を購入した日経クロステックは、技術者の協力を得ながら本体を分解したところ、メイン基板の裏側に、1個目のミリ波帯アンテナモジュールを発見した。この配置は、20年発売の米国版「iPhone 12 Pro Max」と同じである。

 メイン基板はここ数年のiPhoneと同じく「2階建て」構造を採用していた。2階建て構造を形成するメイン基板の2枚の基板を分離すると、両方の基板に部品類がびっしりと実装されていた。

米国版「iPhone 13 Pro Max」メイン基板は2階建て構造だった
米国版「iPhone 13 Pro Max」メイン基板は2階建て構造だった
(撮影:日経クロステック)
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 次に、本体の上方にある、顔認証機能「Face ID」などで用いる「TrueDepthカメラ」のモジュールや、スピーカーなどを外した。

「TrueDepthカメラ」のモジュールやスピーカーを外す
「TrueDepthカメラ」のモジュールやスピーカーを外す
写真左上にあるのがスピーカー、右上にあるのがTrueDepthカメラ(撮影:日経クロステック)
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 Face IDでは、顔認証をするために、「ストラクチャードライト(SL)」と呼ばれる方式で顔の3次元(3D)計測を行う。この方式では、特殊な光学パターンを赤外光で対象物に照射し、そのパターンのゆがみ具合から三角測量の原理で対象物の3次元構造や距離を求める。Face IDでは、VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)と光学素子のDOE(回折光学素子)で構成した発光部からドットパターンの赤外光を照射している。パターンのゆがみは、赤外線受光部(受光素子)で捉える。もともとアップルが買収したイスラエルPrimeSense(プライムセンス)が得意としていた方式で、米Microsoft(マイクロソフト)の初代Kinectに採用されていたことで知られる。

 TrueDepthカメラは、SL方式用の赤外線の発光部と受光部、そして自撮りなどに用いる可視光のインカメラなどからなる。iPhone 13シリーズでは、iPhone 12シリーズに比べてTrueDepthカメラを小型化。これにより、同カメラを収めるスペースを約20%小さくしたという。製品発表会で、小型化できた理由をアップルは明かさなかったが、分解で明らかになった。