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 日本初の「デジタルの日」。その初日となる2021年10月10日、デジタル庁が開催したオンラインイベントを、延べ250万人が視聴した。オンラインイベント開催が決まったのは1カ月前のこと。民間企業と兼業でデジタル庁職員として働く民間人材が活躍したという。舞台裏をのぞいた。

デジタル庁職員が体を張る

 2021年のデジタルの日は10月10日と11日で、「デジタルについて振り返り、体験し、見直し、共有し合える定期的な機会」として2020年12月にデジタル庁の前身組織が決めた記念日である。デジタル庁をはじめとした官公庁がイベントを開くほか、賛同する企業・団体もセールやイベントなどで盛り上げている。

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 YouTubeやTwitterなどで配信されたオンラインイベントには、牧島かれんデジタル相と石倉洋子デジタル監のほか、村井純慶応義塾大学教授やメディアアーティストでもある筑波大学の落合陽一准教授、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんらが登壇。デジタル化の好事例を紹介したり、表彰したりした。

イベント内では、デジタル庁が2021年10月5日に開設した意見募集サイト「デジタル庁アイデアボックス」に投稿された意見について牧島かれんデジタル相らがコメントした。
イベント内では、デジタル庁が2021年10月5日に開設した意見募集サイト「デジタル庁アイデアボックス」に投稿された意見について牧島かれんデジタル相らがコメントした。
(出所:デジタル庁)
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 デジタル庁の職員もチームの仕事を紹介するなどオンラインイベントに運営側として登場した。実際に自治体窓口で転入などの手続きし、そのかかった時間を測定するなどして「日本のデジタル度」を議論するといった「体を張った」企画もあった。

「田中さんがいなければできなかった」

 

 デジタルの日は、村井教授が座長を務める政府の「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」で、落合准教授が提案。2021年6月に設置された「デジタルの日」検討委員会で2回の会議を開き、検討を進めてきた。検討委員会は村井教授が座長を務め、落合准教授らが参加した。

 検討委員会とデジタル庁側で連携するのが同庁職員5人から成る「デジタルの日チーム」である。デジタルの日を具体的にどう盛り上げていくのか、オンラインイベントで何をするのかといった企画やその運営を担うチームだ。。

 チームメンバー5人のうち4人は霞が関の官僚や自治体からの出向者といった行政職員であり、残る1人が「マーケティングプランナー」を専門とする民間採用職員である田中啓之さんだ。「デジタルの日の企画運営は、田中さんがいなければできなかった」。デジタル庁職員はこう口をそろえる。

 田中さんはデジタル庁設立に先立つ2021年7月1日に、マーケティングプランナーとして採用された。デジタル庁には週3日勤務し、本業としてエンターテインメント関連企業に勤務する。映画のマーケティングが専門で、PRイベントなどを多数手掛けてきた。

 官公庁職員でマーケティングプランナーという職種は珍しい。デジタル庁は政策や施策を伝えたい対象に的確に伝えるため、目的の整理から企画、運用までを担う人材が必要として民間から採用している。デジタル庁全体では現在マーケティングプランナーは2人いて、田中さんはデジタル日のチームがメインだ。