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 「加速しながら自在に曲がれる」(三菱自動車の技術者)。同社は、新型SUV(多目的スポーツ車)「アウトランダー」のプラグインハイブリッド車(PHEV)モデル(以下、アウトランダーPHEV、2021年冬に日本市場に投入予定)で、走りの性能を大きく進化させた(図1)。

図1 三菱自動車の新型SUV「アウトランダー」のPHEVモデル(プロトタイプ)
図1 三菱自動車の新型SUV「アウトランダー」のPHEVモデル(プロトタイプ)
日本では新型アウトランダーはPHEVモデルのみの設定となる。21年冬に市場投入を予定する。(撮影:日経クロステック)
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 その進化を支えるものの1つが、今回一新したパワートレーンである(図2)。前部に最高出力85kW(現行モデルの25kW増)/最大トルク255N・m(同118N・m増)、後部に同100kW(同30kW増)/最大トルク195N・m(現行モデルと同じ)のモーターを搭載し、後輪の駆動力をより重視した構成とする。それにより、前後の駆動力配分の制御可能範囲を広げるとともに、全開でも後輪寄りの駆動を可能にして、前輪を操舵(そうだ)のためにより使えるようにした(ドライブモードにより後部寄りの駆動力配分になる「TARMAC」を選んだ場合)。

図2 一新した電動パワートレーン
図2 一新した電動パワートレーン
前後のモーターで高出力化を図り、電池では高電圧化に加えて電池容量を約45%増やしている。(出所:三菱自動車)
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 さらに、現行モデルでは前部のみの制御に限定していた「アクティブヨーコントロール(AYC)」を後部にも適用した。AYCは内輪側にブレーキを掛けることで旋回性や安定性を高めるものだが、後部にも適用することで、「タイヤの性能をより使い切ることが可能になった」(同社の技術者)という。油圧ブレーキの油圧制御の応答性が高まったことで、後部への適用が可能になったと同技術者は説明する。

 同技術者によれば、これらによって雪道での30km/hからの全開加速に対して、アクセルを踏み込んだときの応答性が高まり、ふらつきも低減した。