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 NTTデータが5G(第5世代移動通信システム)関連ビジネスの開拓に本腰を入れ始めた。IT分野に遅れて、モバイルネットワーク分野でもオープン化や仮想化の動きが広がりつつあり、同社のようなシステムインテグレーター(SIer)にビジネスチャンスが生まれている。NTTドコモを筆頭に、NTTグループの総合力を生かしやすいという算段もある。

 「モバイルネットワークがソフトウエアの世界になり、SIerの参入余地が広がった」。NTTデータの河野吉晴執行役員テレコム・ユーティリティ事業本部長は5G関連ビジネスに力を入れる理由をこう説明する。

 NTTデータが狙うのはグローバル市場だ。海外の通信事業者に対して5Gモバイルネットワークの構築を支援したり、自治体や企業が独自に構築する「プライベート5G」で実績を積み上げたりしていく。既に独BMWや仏自動車部品大手Valeo(ヴァレオ)などと連携し、2021年9月にドイツで開催された自動車関連の国際展示会で、5Gを使った自動運転に関する実証実験も展開した。

2030年までに数千億円規模の青写真

 ITサービス市場を主戦場にしてきたNTTデータにとって、モバイルネットワーク分野における存在感は大きくない。同社の2021年3月期の実績をみても、テレコム・ユーティリティ事業の連結売上高は1000億円強にとどまり、全体に占める比率は5%に満たない。

 ここにきて、NTTデータが5G関連のモバイルネットワークビジネスに本腰を入れる理由は2つある。1つは成長余地の大きさだ。米Gartner(ガートナー)によると、2021年のグローバルにおける5Gネットワーク・インフラストラクチャー市場の売上高は、2020年比39%増の191億ドルに達すると予測する。2022年以降も同市場の拡大は確実で、NTTデータは5G関連で2025年に300億円、2030年までに数千億円規模のビジネスに育てる青写真を描く。

 もう1つがモバイルネットワーク分野におけるオープン化や仮想化の進展だ。従来は通信機器ベンダーが自前の専用機器を垂直統合型で一括提供するのが主流だったが、オープン化や仮想化の動きが広がりつつあり、様々なベンダーの製品・サービスを組み合わせて利用する機運が高まってきた。「モバイルネットワークのインテグレーションビジネスが射程圏内に入った」(NTTデータの東山靖弘テレコム・ユーティリティ事業本部モバイルビジネス事業部グローバルビジネス推進室長)。

オープン化や仮想化の進展でNTTデータの参入余地が拡大
オープン化や仮想化の進展でNTTデータの参入余地が拡大
(出所:NTTデータの資料などを基に日経クロステック作成)
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