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 「国内の金融API市場は現時点でまだ普及段階だ。これから伸びていくフェーズに入るのに、登録にお金がかかるような仕組みにすると伸びるものも伸びなくなってしまう」。NTTデータの青柳雄一バンキング統括本部OSA推進室OSA推進担当部長は、同社が2021年10月6日にリリースした金融APIマーケットプレイス「API gallery」についてこう語る。

 API galleryは、APIの提供者(プロバイダー)と利用企業を仲介する無料のプラットフォームだ。NTTデータが2020年10月に公表した、ポストコロナ時代の金融ITにおける標準アーキテクチャー「Open Service Architecture(OSA)」の中心に位置づけられる。2021年10月6月時点で、金融機関やFinTech企業など26社がAPIプロバイダーとして参加しており、登録されたAPIは48個に上る。NTTデータは将来的にもAPI galleryの利用料を設けるつもりはないという。

NTTデータが運営する金融APIマーケットプレイス「API gallery」の概要
NTTデータが運営する金融APIマーケットプレイス「API gallery」の概要
(出所:NTTデータ)
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日本でAPI活用が広がっていない

 NTTデータがAPI galleryを整備した背景には、日本の金融業界でAPIの利用が広がっていない現状があるという。同社は金融機関のデジタルシフト支援の一環として、オープンAPIの活用を推奨している。前述のOSAはその1つだ。OSAの考え方の根幹は、勘定系システムを塩漬けにして安定性を担保しつつ、新たなサービスを追加する際にはオープンAPIなどの活用により開発コストを下げることだ。

 APIの活用が比較的広がっていない例の1つとして、地域金融機関が挙げられる。地域金融機関の中にはデジタル担当部署の人手が十分ではなくデジタル戦略に打って出られないケースもある。API galleryがデジタルシフトに必要な情報を収集したり整理したりするプラットフォームとしての役割を果たせば、社会全体でデジタルシフトに必要な作業の効率を高められる。