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 日産自動車の小型ハイブリッド車(HEV)「ノート」の質感を高めた派生車「ノートオーラ」が堅調に受注台数を伸ばしている(図1)。企画当初からの狙い通り、上級車から乗り換えるユーザーを中心に取り込んだ()。上級車が搭載する部品を流用したことで、同社が訴求する高い上質さと開発コストの低減を両立した。

図1 「ノートオーラ」
図1 「ノートオーラ」
月間販売目標の3000台に対し、発売から2カ月足らずで1万6870台を受注した。(出所:日産自動車)
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表 ノートとノートオーラの価格やターゲット層の比較
表 ノートとノートオーラの価格やターゲット層の比較
ノートオーラはノートに比べ60万円弱高い。日産の発表内容を基に日経Automotiveが作成。
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 同社第1製品開発部チーフビークルエンジニアの渡邊明規雄氏が「小型車だからといって、ユーザーに妥協をさせない」と語るように、輸入車からの乗り換えも想定し、小型車セグメントの枠に収まらない上質さを求めて開発したという。

 例えば、前席のドアには遮音用のフィルムが入ったラミネートガラスを採用し、車内の静粛性を高めた(図2)。渡邊氏は「ドイツMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)や同BMW、同Audi(アウディ)など、高級車クラスでないと採用しない部品」と説明する。

図2 静粛性を高めるノートオーラ専用の部品
図2 静粛性を高めるノートオーラ専用の部品
黄色の部分がノートから追加した部品。前席の遮音用のラミネートガラスに加え、前席と後席のドアトリム、ルーフに吸音材を追加した。日産の資料を基に日経Automotiveが作成。
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 また、ノートオーラは日産の上級車から部品を流用することで機能性を高めた。メーターディスプレーやナビゲーション、ステアリングホイールは同社の中型SUV(多目的スポーツ車)「ローグ」が採用するものを流用した。また、電子制御シフトや電動パーキングブレーキは、同社の新型電気自動車(EV)「アリア」が採用するものと同様である。

 こうした部品の共通化は上質さの実現だけでなく、コストの低減や開発期間の短縮にも寄与したという。渡邊氏は「ノートオーラは小型車であり、当然コスト面も重要。最小限の工夫で効率良くノートとの性能の差を生み出すのに苦労した」と振り返る。