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 DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには、市場のニーズに合わせて新システムを素早くリリースすることが欠かせない。そこで注目を集めているのが、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を用いてアプリを開発するローコード/ノーコード開発ツールである。短期間でアプリを開発できるだけでなく、プログラミング言語に関する深い知識も必要ない。業務部門の担当者でもアプリ開発が可能だ。

 こうした背景から様々なローコード/ノーコード開発ツールが投入されている。しかし開発ツールによって必要な知識やスキルは異なるのが現状だ。今後、開発するシステムにあったツールを選ぶ必要がある。

新興企業のアンコルクを選択

 日本生命保険もローコード/ノーコード開発ツールの選定を開始した。日本生命のオープンイノベーション拠点「Nippon Life X」は、日立製作所と共同で米Unqork(アンコルク)が開発するノーコード開発ツール「Unqork」を利用したプロトタイプ開発を実施し、その効果を検証した。日立製作所は2020年3月、アンコルクの国内初リセラーとしてライセンスの再販や技術サポートを手掛けている。

 実装したプロトタイプは日本生命以外のある保険会社のアプリである。医療機関データから保険金の支払金額などを確認する機能を備える。患者が医療機関を受診した際、会計時に通院履歴がアプリに即時反映される。通院履歴「詳細」をクリックすれば診療明細を表示でき、保険金を請求する手続きに移れる。患者本人と医療機関の協力の下、開示できる情報の範囲内で実装した。

開発したプロトタイプのイメージ
開発したプロトタイプのイメージ
(日本生命保険と日立製作所の資料を基に日経クロステック編集部で作成)
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 Unqorkは主に金融・保険業のシステム開発に向くという。モジュールをGUIで開発画面上に配置すれば業務画面を実装できる。保険料や金利の計算などを実装するモジュールも備え、Excel関数を取り込むなどして簡単に計算ロジックを定義できるという。またクラウド上の開発環境を利用できるため、新たなソフトウエアのインストールは不要だ。実行環境もクラウド上に実装する。