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 「個人と金融商品を持つ企業との架け橋になりたい」。三菱UFJ銀行デジタルサービス企画部企画Gr次長の田中誉俊氏は、2021年12月に提供を開始する個人向け資産形成サポートサービス「Money Canvas」の位置づけを説明する。同行の個人顧客や多岐にわたる企業の個人ユーザーと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)内外の金融機関が集まる、新たなプラットフォーム構築につなげたい考えだ。

「Money Canvas」の全体像
「Money Canvas」の全体像
(出所:三菱UFJ銀行の資料を基に日経FinTech作成)
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 Money Canvasは、金融商品の検討から選択、購入までを実施できるサービス。株式や投資信託といった定番商品からクラウドファンディングやロボ・アドバイザー、さらには保険など、幅広い商品ラインアップを用意する方針だ。資産形成に関するニュースや基本的な投資診断の機能も実装する。

 ターゲットに据えるのは、主に資産形成の初心者層。正式リリースに先立ち、2021年10月には資産運用の入り口として、ポイントを使った運用や株式交換サービスをリリースする。ポイント運用には、スタートアップ企業であるSTOCKPOINTと組み、「STOCKPOINT for MUFG」アプリを提供。「Pontaポイント」などをチャージして、投資体験を積めるようにする。

 実際の株式を保有したくなれば、大和証券グループのCONNECTを通じて、運用でためたポイントを現物株に変えることも可能だ。シームレスに連動できる仕組みを構築しており、CONNECTの口座を開設していれば、3~5営業日で交換できるという。

 正式リリース後は多岐にわたる金融商品を取りそろえる。auカブコム証券や三菱UFJ信託銀行といった関連企業に加えて、ウェルスナビやファンズといったFinTech企業の商品も提供する。特徴的なのは、各金融機関のサービスにログインすることなく、Money Canvas上で購入を完結できる点だ。参画する金融機関と更新系API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携して実現する。分かりやすいUX(ユーザー体験)にすることで、「資産形成に関してはMoney Canvasを訪れれば良いと訴求していきたい」と、田中氏は語る。

 Money Canvasのユーザーとして、三菱UFJ銀行の顧客だけを見込んでいるわけではない。日常的なユーザー接点を保有する企業とも積極的に提携し、取り込みを図る算段だ。

 Money Canvasは当初、スマートフォンアプリではなくブラウザーベースのサービスとして提供を始める。Money Canvas単体を前面に押し出すことはせず、協業先企業のサービス内にも組み込みやすくする狙いがある。具体的な協業先が既に決まっているわけではないというが、金融サービス仲介業への参入を検討している企業などが有力なターゲットになる見込みだ。