全2605文字
PR

 診断や治療を支援するプログラム医療機器(Software as a Medical Device:SaMD、サムディ)の開発機運が世界で高まっている。SaMDとは診断や治療を支援するソフトウエアを指し、AI(人工知能)を活用した診断支援ソフトウエアや治療用アプリなどが含まれる。日本では2014年施行の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)でプログラムの規制対象が拡大した。

医療機器に該当するプログラムの範囲。図の面積は実際の品目数を反映するものではない
医療機器に該当するプログラムの範囲。図の面積は実際の品目数を反映するものではない
(出所:デジタルガレージ)
[画像のクリックで拡大表示]

 米国や英国、ドイツ、インドなどにおいて、SaMDの開発促進などに特化した制度が始まり、実用化する環境が整いつつある。日本政府も2020年末から2021年にかけて「SaMDラグ(実用化の遅れ)」を解消する施策を打ち出した。例えば規制改革推進会議がSaMDにも言及した「当面の規制改革の実施事項」を決定したほか、厚生労働省がSaMDの開発促進策である「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD)」を発出した。まさに世界的にSaMDのビジネス環境の整備が完了する直前といえそうだ。企業にとっては、今知識を蓄えて参入することが絶好のチャンスとなるだろう。

 新たにSaMDへ参入する際に抑えておくべきポイントとしては、日本政府の実用化促進策の内容や、製品設計から開発までの検討事項、先行する海外の状況(海外企業との連携方法)などが挙げられる。今回はこのうち、製品設計から開発までの検討事項について解説する(SaMDの市場・開発動向や実用化促進策、開発のポイントなどの全体像は、日経BPが2021年10月26日に発行した専門リポート『デジタルヘルス未来戦略 調査編 有望市場分析』に掲載)。

計画から開発段階における検討事項

 ここでは新規性の高いSaMDを開発する場合の手順を考える。開発企業が検討すべき事項は、(1)ニーズドリブンの製品設計、(2)臨床的位置付けの確認と設定、(3)医療機器該当性の確認、(4)医薬品医療機器総合機構(PMDA)への相談――だ。それぞれについて解説していく。

新規性の高いSaMDを開発する上で開発者が検討する内容
新規性の高いSaMDを開発する上で開発者が検討する内容
(出所:デジタルガレージ)
[画像のクリックで拡大表示]