全1709文字
PR

 米Microsoft(マイクロソフト)が2021年10月5日にWindows 11の販売を開始してからちょうど1カ月がたった。足元では年末商戦もスタートしたが家電量販店でのWindows搭載パソコンの販売が振るわない。

 販売動向に詳しいBCN総研の道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは「Windows 11リリースの影響はあまり出ていない」と明かす。「マイナス幅が若干減る傾向はあるものの、Windows搭載パソコンの出荷台数は2桁パーセントで前年割れが続いている」(道越チーフエグゼクティブアナリスト)。

 Windows搭載パソコンの月別出荷台数(前年同月を100とした)
Windows搭載パソコンの月別出荷台数(前年同月を100とした)
(出所:BCN総研のデータを基に日経クロステックが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 IDC Japanによれば、2021年7月~9月期のコンシューマー向けのパソコン出荷台数は前年同期比でマイナス21.9%に落ち込んだ。Windows 11がパソコン市場に与える影響について、IDC Japanの市川和子PC、携帯端末&クライアントソリューショングループマネージャーは「現状のパソコン市場は下降傾向で、Windows 11のリリースがプラスに影響しているかどうかは読み切れない」と話す。

初動が静かな3つの理由

 Windows 11の「初動」が静かな理由は3つありそうだ。1つ目は、Windows 11への無料アップグレードが知れ渡ったことだ。

 マイクロソフトは2021年後半から2022年にかけてWindows 10を無償でWindows 11にアップグレードできるようになるとしている。2020年1月のWindows 7のサポート終了や新型コロナ禍でのテレワーク需要の高まりを機にパソコンを買い替えた多くのユーザーはWindows 10パソコンを積極的に買い替える必要がないといえる。

 2つ目の理由は、Windows 11にはWindows 8以前を使うユーザーに買い替えを促すほどのインパクトを持った新機能が少ないことだ。Windows 11の特徴といえば、まずUI(ユーザーインターフェース)の変化が挙がる。

 スタートボタンを画面中央下部に配置したり、複数のウインドーをクリック操作だけで3等分などに並べて画面上に表示できる「スナップレイアウト」と呼ぶ機能などを追加したりした。他にも起動時間が短くなるなど手堅い改善を施したものの、強烈な驚きのある変化とは言い切れない。

Windows 11で追加された「スナップレイアウト」による画面分割の例
Windows 11で追加された「スナップレイアウト」による画面分割の例
(出所:米Microsoft)
[画像のクリックで拡大表示]

 3つ目が昨今の半導体不足による割高感への警戒だ。ただメーカー各社は半導体不足には対処しているとする。例えばパナソニックは「一般的に言われているように半導体は逼迫している。だが必要分の確保に努めている」(広報)とする。