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 「これまでは経験や勘に基づき、豚の健康管理に努めてきた。経験豊富な人材の確保が難しくなっていることもあり、今回の実証実験の成果に期待している」(臼井農産 臼井成次取締役)――。

 養豚場を運営する臼井農産と、動物用医薬品を手掛けるベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン、NTT東日本 神奈川事業部は、AI(人工知能)で豚のせきの音を解析して健康管理を支援するシステムの実証実験を2021年11月1日に開始した。2022年10月末まで実施して、効果を確かめる。

実証実験中の豚舎の様子
実証実験中の豚舎の様子
(撮影:日経クロステック)
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 実証実験には、ベーリンガーインゲルハイムが販売権を有するせき音検知技術「SoundTalks」を利用する。SoundTalksはベルギーのSoundTalks(サウンドトークス)が開発した。「これまでに実証実験を含めると、ベルギーやドイツ、スペイン、米国、中国、韓国、ベトナムなどに導入されている」(ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン マーケティンググループ 久徳史明ブランドマネージャー)という。海外の導入実績は豊富だが、日本での実証実験は初めて。日本と海外では豚の種類や豚舎の形状に異なる部分があるため、日本のデータを収集して効果を検証する。

 臼井農産では約5000頭の豚を飼育しており、そのうち約200頭を対象に今回の実証実験に取り組んでいる。マイクや温度・湿度センサーを搭載した「検知器」を8台設置し、それぞれが半径10メートル以内の豚のせき音を24時間モニタリングして無線LANでゲートウエイに集約。ゲートウエイでデータを簡素化し、SoundTalksのサーバーに送信する。