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アメとムチによる国産品支援も検討課題

 ファースト・ソーラーは、どうして中国からのコスト圧力に対抗できたのであろうか?「ファースト・ソーラーは、ターンキー製造に可能な限り近づき、それを機能させる方法を考え出しました。 他のどのメーカーも考え出せませんでした。ファースト・ソーラーは過去にCIGSと結晶系を研究しましたが、同社が最も得意とするCdTeテクノロジーに固執したのは賢明でした」とミンツ氏は分析する。

 さらに、「ファースト・ソーラーは、中国からのコスト圧力にもかかわらず、生産を持続しています。 現在、価格がどんどん上昇しているため、ファースト・ソーラーはかなり良い位置にあります」と続けた。

 「太陽光発電は、脱炭素化の柱」と位置付ける日本政府。今後さらなる導入拡大が期待される太陽光発電の需要をどのようにサポートするのだろうか? 太陽光発電設備の国内生産を促進することはできるのだろうか?

 米国では、中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーの収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。国内製造業を保護するため、前トランプ政権は2018年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対する関税措置を決行した。バイデン大統領も、公約の1つであった米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項」を実行に移した。

 ミンツ氏は、「太陽光発電の製造を開始しようとしている国々は、何年にもわたってその努力を支援する忍耐と意欲を必要とします。(政府政策として)『アメとムチ』のアプローチは一般的ですが、『ムチ』は通常国内の消費者を罰します。 国内製造を促すインセンティブと国産のセル(発電素子)とパネルの購入を促すインセンティブといった供給と需要側両面への『アメ』のアプローチを使う時かもしれません」と語った。

生産から撤退を公表したソーラーフロンティアの主力生産拠点である国富工場
生産から撤退を公表したソーラーフロンティアの主力生産拠点である国富工場
(出所:日経BP)
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