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健闘する米ファースト・ソーラー

 ミンツ氏は、「ソーラーフロンティアの(生産撤退に関する)ニュースはとても悲しいものです。CIGS / CIS(のテクノロジー)の掲げていた利点が十分に果たされないままになってしまいました。太陽電池の製造業を立ち上げる際の問題の1つは、この産業は、中国で生産される安い価格と向き合わねばならいことです。ただ、この安い価格の背景には、低価格の石炭火力を電源とし、強制労働、補助金、山のような負債、そして、忘れてはいけないのは、極めて低いマージンに支えられています。こうした問題を内包したまま太陽電池産業の発展が公然と述べられてきました」と語った。

 さらに、「ソーラーフロンティアに何かが欠けていたというのではありません。ただ、ただ厳しい市場なのです。 低マージン、人為的な低価格、そして政府が支援する業界と競争するのは難しいのです」と続けた。

 この中国勢に押された低コスト環境に関し、平野敦彦・出光興産取締役(元ソーラーフロンティア社長)は、「中国勢は官民を挙げて巨額な投資を続け、その巨大な量産規模を背景にしたコスト競争力を武器にシェアを高めた。日本勢はついていけなかった」と、生産撤退を発表した記者会見で述べている。

 SPVマーケットリサーチの調査では、シリコン結晶系(単結晶と多結晶)が2020年世界太陽電池出荷量の95%を占めた。残りの5%が、薄膜系となっている。

 これまで薄膜系太陽光パネルでソーラーフロンティアと競合し、この分野のリーダーと言えば、CdTe(カドミウムテルル)型化合物系を量産する米ファースト・ソーラーである。同社は、薄膜系パネルのリーダーであるだけではなく、中国勢がほとんどを占めるシェアトップ10に食い込んできた(図2)。

図2●ソーラーフロンティアの“元”競合にあたる薄膜系太陽光パネルメーカー大手である米ファースト・ソーラーの工場
図2●ソーラーフロンティアの“元”競合にあたる薄膜系太陽光パネルメーカー大手である米ファースト・ソーラーの工場
(出所:First Solar)
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